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平成11年第 4回定例会−12月14日-04号
平成11年第 4回定例会−12月14日-04号

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  1. 熊本市議会 1999-12-14
    平成11年第 4回定例会−12月14日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成11年第 4回定例会−12月14日-04号平成11年第 4回定例会   平成十一年十二月十四日(火曜) ────────────────────────────────────────────────   議 事 日 程 第四号   平成十一年十二月十四日(火曜)午前十時開議   第 一 質問   第 二 議第 四一三号 助役の選任同意について   第 三 議第 四一四号 収入役の選任同意について   第 四 議第 四一五号 監査委員の選任同意について   第 五 議第 四一六号 教育委員委員の任命同意について   第 六 諮第  一四号 人権擁護委員候補者の推薦について ────────────────────────────────────────────────                   午前十時一分 開議 ○江藤正行 議長  ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○江藤正行 議長  日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。磯道文徳議員。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇 拍手〕 ◆磯道文徳 議員  おはようございます。公明党の磯道文でございます。  一九九九年も残すところあと十七日になりました。
     さきに行われた第五十四回国民体育大会くまもと未来国体も、熊本県が天皇杯、皇后杯を見事獲得し大成功に終わりました。また、第三十五回全国身体障害者スポーツ大会ハートフルくまもと大会」や第二十回マスターズ陸上くまもと大会も多くの感動を与え、大成功で終えることができました。  大会運営に携わったボランティアの方々を初め関係各位に敬意を表するとともに、心から感謝いたします。  さて、こうした感動とは裏腹に、この一年を振り返ってみたとき、さまざまな事件、事故も発生いたしました。  高校生の我が子に保険金をかけて殺害した母親の事件や、最近でも、同じ幼稚園に通う知り合いの子供を誘拐して殺害してしまった母親の事件など、起きてはならない、信じられない事件が多かった年でもありました。熊本市でも、身代金目的での小学生誘拐事件も記憶に新しい事件です。  このような自己中心的で短絡的な事件の発生は、まさに心の荒廃そのものを映し出しているのではないかと思います。怒りを禁じ得ません。  まさに本年は、感動と憤りの入りまじった年だったように感じますし、また今こそ心の教育がいかに重要かを再認識させられた年と言っていいでしょう。  こうした中にあって、私たちは、何としても来る二十一世紀を心の時代、生命尊厳の時代にしていかなければなりません。  こうした観点に立って考えるとき、今最も重要なのは教育ではないでしょうか。二十一世紀を担う子供たちの教育環境をどのように整えていくのか、教育問題から質問してまいりたいと思います。  さて文部省は、九八年度学校基本調査で、不登校の児童・生徒が、九一年の調査開始以来最高の十二万八千人になったことを明らかにいたしました。  その理由では、学校に行きたくても、朝になると体調が悪くなったり不安になったりして家から出られないという不安など情緒的混乱が最も多く二六・五%、何となく登校しないという無気力が二一・五%、そして複数の要因が絡み合った複合が二二・七%となっています。  また「問題行動調査」の速報では、九八年度に起きた小、中、高校生の暴力行為は三万五千二百件にも上り、前年を二〇%強も上回って、過去最多を更新したと発表しています。  これら暴力行為のうち、ガラスを割る、校舎に落書きをするといった器物損壊は約一万四百件と、前年比で四〇%増の急激な伸びを示し、さまざまな不満のはけ口を物を壊すことに求めていると見られ、校内暴力が社会問題になった八〇年代前半とは違う荒れの形態が浮かび上がっています。  また発生件数の割合は、中学校が驚異的に高く七六・〇%と大半を示し、次いで高校一九・一%、小学校四・八%となっています。  このような器物損壊の急激な増加について文部省は「ひと昔前なら、問題を起こす子たちは突っ張りで反教師を口にするなど行動がわかりやすかったが、今は普通に見える子供が突然行動に出て、対策が立てにくくなっている。」と発表しています。  一方、いじめは三年連続で減少していますものの、依然として約三万六千四百件と高い数字を示しており、陰湿で荒廃した学校の様子が浮き彫りになっています。  そこでお伺いいたします。  熊本市での不登校と問題行動、そしていじめの現状はどうなのでしょうか。  また、県が七月に実施しました学級崩壊についてのアンケート調査では、熊本市ではどうだったのかもあわせてお答えください。  さて、こうした不登校や問題行動やいじめ、さらに学級崩壊といった問題についての対応は、学校現場において、また教育委員会や教育センターにおいてさまざまな事業を展開し、それなりの成果をおさめてきたもののいまだに課題は残ったままです。  文部省がこの十一月に発表した、教育立国を目指しての教育改革プログラムの中には冒頭次のようにあります。  「我が国の教育は、これまで知識を一方的に教え込む教育に陥りがちで、みずから学び、みずから考える力や豊かな人間性をはぐくむ教育がおろそかになってきたこと、また、教育における平等性を重視する余り、一人一人の多様な個性や能力の伸長という点に必ずしも十分意を用いてこなかったことも否定できない。」とあります。  このことは、文部省自身が、我が国の教育や学校に対する考え方が、激動する今の社会や時代に通用しなくなったことをみずから認めているものと思います。  また、教育改革を進めていく上で、第一は、心の教育の充実、第二は、個性を伸ばし多様な選択ができる学校制度の実現、第三は、現場の自主性を尊重した学校づくりの促進などの視点が必要であるとも述べてあります。  私は、この文部省の教育改革プログラムはもっともなことであると思います。しかし問題は、このプログラムをどう具体化し実行するかということです。  子供たちの一人一人の個性や能力を尊重した教育を実現するには、学習カリキュラムの創意工夫や学校の教職員の指導力と資質の向上、生徒たちの興味や関心に応じた学習教材の開発などが必要なことは言うまでもありません。しかしそれと同時に、学校教育全体の中にもっとゆとりが必要ではないでしょうか。  そして私は、このプログラムを具体化することができるのは熊本市の教育委員会であり、実行できるのは子供たちと日々かかわり合っている学校現場であり家庭であり地域社会であると考えます。  ここで幾つかの事例を紹介いたします。  まず川崎市では、先月より、教職員の学習指導を教室で補助する教育ボランティアの派遣制度を市立の小中学校でスタートさせました。当面三年間は国の緊急地域雇用特別交付金を活用し、ゆとりと活力ある教育を支援し、学級崩壊や不登校などの問題にきめ細かくコミュニケーションをとりながら、授業の円滑な運営を行うというものです。  また浦安市では、来年度から少人数教育推進事業を市内の全小中学校で実施し、子供の個性を尊重したゆとりある教育環境をつくろうとしています。  この浦安市は、現行の学校教育法の一学級四十人という学級編制の枠の中で可能な少人数教育の方策を検討し、その結果を市教育委員会が承認して実施されるものです。  具体的には、原則的に市内の小中学校の全学年に非常勤一般職の教員を配置し、現在の学級編制を変えずに、教員一人当たりの指導人数を二十五人程度にしようというものです。現状では、学校ごとに一学級の児童・生徒数に大きな格差があり、ある学級では二十四人で編制されているのに対し、別の学級では定員いっぱいの四十人。この格差を是正するために非常勤教員を配置しようという事業です。  個性を尊重したゆとりある教育環境の実現をねらい、浦安市教育委員会は、いじめや不登校の解消にも結びつくだろうと期待を寄せています。  さて、私の三男も今小学校五年生ですが、四年生までは一クラス四十三人だったことがあります。先生も子供たちも、それはそれは大変だったようです。五年生になって現在は二十八人ということで、すべてに問題は起きていないようです。  そこでお尋ねいたします。  熊本市でも、子供たちのためにクラスの格差是正が必要と思います。具体的に是正できないものなのかどうか。また、その方法をお考えであればあわせてお示しください。  また、中教審での通学区域の弾力化の打ち出しに伴い、東京都の品川区では、都市部として初めて小学校のブロック別選択制の導入を来春から始めます。このほか、大阪府河内長野市では通学区を全市に拡大。岐阜県穂積町も校区規制の撤廃を来年度から実施します。これに対し熊本市では、現在のところ越境入学は原則禁止となっています。  こうした通学区域の弾力化は、生徒数が少なくなっていることもあり、地方ではかなりのところで実施されていますが、さきに紹介したように、都市部でも試みがなされようとしています。熊本市の場合、区域の狭い品川区と同様に考えるわけにはいきません。しかしながら、こうした通学区域の弾力化の流れの中で、熊本市の保護者から要望がなされてくることも想定されます。  こうした試みで最も重要なことは、それぞれの学校で独自性をどのように引き出していくかが大切と考えます。そして、その根底にゆとりある教育の実現がなされていなければならないと確信します。ここのところのボタンをかけ違えると、今ちまたで騒がれているお受験校をつくってしまうことになりかねません。  そこでお伺いします。  通学区域の弾力化について、熊本市で導入した場合のメリットとデメリットはどのようなことが考えられるのか。また、弾力化の要望がなされた場合、今後どのように対応しようとされるのか、あわせてお伺いいたします。        〔徳田勝比古教育長職務代理者 登壇〕 ◎徳田勝比古 教育長職務代理者  今日の社会状況あるいは青少年の問題行動を考えますとき、心の教育につきましては教育の取り組むべき最重要課題だと受けとめております。  三点についてお答え申し上げます。  まず第一点目の、本市における不登校、問題行動、いじめ等の現状についてでございます。  平成十年度で申し上げますと、三十日以上欠席したいわゆる不登校児童・生徒は、小中学校合わせまして六百八十一人でございます。平成九年度に比べますと三十五人の減少となっておりますものの、予断を許さない状況にあると思っております。  問題行動につきましては、平成十年度では小学校で四件、中学校では八十八件となっております。最近、短絡的な行動に走りやすい傾向も見受けられ、ごく一部の生徒には刑法に触れるような事例もあり、指導の厳しさを感じておるところでございます。  また、いじめにつきましては、平成十年度小学校で十二件、中学校で五十二件と減少傾向にありますものの、内容を見ますと、複数による暴力に加え、他を無視するなどの陰湿ないじめもあるようでございます。  今後は、さらに児童・生徒の生活状態に細心の注意を払いながら対応してまいりたいと思いますし、特に心のケアに意を用いてまいりたいと思います。  次に、県が七月に実施しました学級運営の実態調査の結果でございます。  市内の小中学校とも、学級がうまく機能しない状況、いわゆる学級崩壊はございませんでした。ただ、教師の話を静かに聞くことができず騒がしい、あるいは忘れ物が目立つなどの課題を抱えた学級は、小学校七校、中学校二校ございました。  これらの学校につきまして、その後の取り組みで正常に戻りつつあると聞いております。学級崩壊はどこの学校でも起り得る問題であろうという危機意識を持って対処してまいりたいと考えております。  二点目の少人数教育の実現についてでございます。  教師一人当たりの児童・生徒数が少なければ少ないほど目が行き届き、子供の個性を伸ばす教育ができるものであろうと思っております。全体的な流れとしてはこういった少人数教育へ向かいつつあるという意識はございます。  本市の小中学校の学級編制の状況を申し上げますと、一学級三十六人以上の学級が全体の四五・二%を占めておりまして、三十一人以上を入れますと全体の八四%にもなります 。  また、一つの試算ではございますが、本市で小学校一、二年生のみを三十人学級としました場合、人件費で約十億円、教室の整備費は余裕教室を差し引いて約十一億円など多額の経費を要します。  また、文部省が学級編制基準の弾力化について検討中である現段階におきまして、本市独自で少人数学級の実現を図ることは困難な状況にございます。  このような中で、教育委員会といたしましては、教職員の加配やティームティーチング社会人講師の活用などの制度を積極的に活用いたしまして、一人一人の生徒に応じました指導の充実に努めておるところでございます。  今後は、国の学級編制基準の弾力化の動きに注目しつつ、県教育委員会などとの協議、あるいは議員御紹介の浦安市などの事例を調査いたしますとともに、現行の学級編制基準の枠内でどのような方法があるのかさらに研究を重ねてまいりたいと考えております。  三点目の通学区域の弾力化についてでございます。  品川区の例を挙げての御質問でございますが、通学区域の弾力化の長所短所ということでございます。  新聞によりますと、品川区の場合、教師が特色ある学校づくりに励むようになり学校が活性化した、あるいは学校が保護者や地域とのコミュニケーションを大切にするようになったとの長所があると聞いております。  その反面、学校の序列化や学校間格差が発生する、あるいは学校と地域社会との結びつきが希薄化するなど懸念されているようでございます。  また、通学区域の弾力化について要望があったらどのように対応するかということでございますが、議員もお触れになりましたように、品川区は狭い地域に多くの学校がございますし、交通の便が大変いいようでございます。また余裕教室も、私ども熊本市に比べまして四倍くらいあるようでございます。一校当たり四室ぐらいあるようでございます。そのようなことで本市とは基本的に大きな違いがございます。本市において品川区のような通学区域の弾力化を実施しますことは非常に困難な状況にあると考えております。  なお、越境入学につきましては、児童・生徒や保護者の個々の事情あるいはその御希望を十分お聞きした上で、転校の時期をおくらせたり、希望する学校へ転校できますように、本年四月から校区外通学の認定基準を見直したところでございます。  今後は、実施しております市区町村の調査、視察などをいたしまして、通学区域の弾力化についての研究をしてまいりたいと考えております。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇〕 ◆磯道文徳 議員  ただいまの答弁では、不登校については三十五人減少したものの歯どめがかかっていない。また問題行動についても、増加はしていないが短絡的な行動が見受けられる。刑法に触れた例もある。いじめについても、減少傾向にはあるものの、暴力ですとか、陰湿である。そして一クラス三十六人以上の学級が全体の四五・二%、三十一人以上のクラスは八四%ということでございました。  一クラスの児童・生徒が多いのでなかなか目が届かないという点があると思います。ティームティーチング等一定の評価はできるものの、なお一日も早い少人数教育が望まれます。先進地の調査を行い研究を重ねるとのことです。どうか十分な検討をしていただき、結果に期待をしておきたいと思います。  また、越境入学については、原則禁止が、今年から校区外通学の認定の認定基準を見直したとのことです。ですけど、多くの保護者はこのことを知らないのではないでしょうか。学校現場への周知徹底をよろしくお願いしておきます。  さて、熊本市にある私立幼稚園においても、子供たちの健全育成を目指し、早くから預かり保育や、小学校低学年を放課後に預かる学童保育、さらには育児相談など実施し、少子化対策に精力的に取り組んできていただいております。  保育園が共働きや母子家庭などの子育て支援であるのに対して、幼稚園は、義務教育前の幼児期における子供たち教育支援組織として大変重要な役割を担ってきていただきました。  また前半では、義務教育における子供たちの個性と独創性をはぐくむためにはゆとりこそ重要であると指摘しました。これに対し、就学前の幼児期には情緒教育が大変重要であると考えています。  いろいろな研究でも、乳児期での両親とのスキンシップの段階を経て、幼児期では社会で生きるための共生、この共生の思いをどこまで育てていけるかが大変重要であるとの指摘もあります。そして、こうした共生のための情緒教育は幼稚園教育に負うところが多いと考えます。  人として基本の感情を心豊かなものにしたい、そうした思いで幼児教育がなされたとき、義務教育期間でのいじめや不登校、学級崩壊といった問題も多くを解消できるのではないかと考えています。  子供たちが友を思う心を持ったとき、義務教育に上がってからのいろいろな問題を子供たち同士で一緒に解決したとしたらどんなにすばらしいことでしょうか。こうした素養は幼児期に形成されることは確かです。  こうした中で、我が党西議員の少子化対策臨時特例交付金具体的活用についての質問で、熊本市に交付される約十六億円のうち、幼稚園の預かり保育のための施設整備にも活用するとの答弁がありました。要望を受けていた事項の一つであり、関係者の方々の喜ばれる様子が浮かんできます。  今般の交付金の活用方法は各自治体の主体性に任せているところにその特徴があります。そうした中、仙台市では、市内の約八割の幼稚園で預かり保育が行われており、これまで運営費の補助はあったそうですが、施設の増改築や改修などの設備整備に対する補助金が初めて支給されることになりました。  このように、今回の少子化対策臨時特例交付金の活用を通して、少子化対策に大きく寄与していただいてきた幼稚園や無認可保育所にも行政の光が当てられるようになりました。大変によいことだと思っています。  そこで要望ですが、熊本市におかれてもこれを機会に、さらに少子化対策の重要施策の一つとして、行政として幼稚園事業への積極的な支援窓口等を設けられるよう強く要望しておきます。  子供を産みやすい環境を整備する。これと並行して、子供の成長が楽しくて楽しくてならないといった幼児育成環境整備があってこそ少子化は解消していくと確信していますので、よろしくお願いいたします。  そのほかの教育問題についてお伺いします。  我が党は、小中学校の校舎に障害児用のエレベーターやリフトなどが設置できないかと本会議、委員会で常々訴えてきたところですが、エレベーターの場合は校舎の耐震調査、リフトの場合は階段の幅とかの問題がネックになり、障害児用の施設整備の重要性の認識は示していただいているものの、全市的整備となると財政的にも非常に難しい現状であると当局の説明を受けてまいりました。しかしながら、何らかの工夫をしなければなりません。  そこで提案ですが、例えば、階段を電動の機具によって、介助の人がおれば車いすのまま移動できるようにできないものでしょうか。幾つかの駅などでも導入されているようですし、また幾つかの学校でも試験的に導入されています。  益城町の小学校でも、いわゆる車いす用階段昇降機なるものが導入されているようです。ぜひとも調査研究をしていただき検討をお願いいたします。  次に、学校トイレの問題ですが、私たちのころから暗い、汚い、臭いの三Kのままで、いまだにこの三Kは解消されておりません。いじめの場所になったり喫煙の場所になったり、問題も多く、早急の対応がPTAなどからも寄せられています。トイレに行けず、学校が終わるまで我慢している子供も多くいるとも聞き及んでおります。また子供たちにとっては健康上の問題にもなりかねません。  ある中学校の保護者の方から相談を受け、先生と調査をした実態ですが、狭過ぎて出入りが大変。狭過ぎてかがめない。男子用と女子用の境の壁が低くのぞける。教師用、保護者用のトイレがない。天井まで壁がないので隣がのぞけるという現状でした。  そこでお尋ねしますが、学校現場のこういう実態は把握されているのでしょうか。また、今後どのように対応されるのかあわせてお示しください。  教育問題の最後に、さきの台風十八号で大被害を受けた水前寺体育館ですが、市民の方々から、使用できるのか、使用できないのかとの話をたびたび耳にします。昭和三十五年の国体のときにメーン会場として建設され、その後多くの市民の皆様に御利用いただき、それぞれに思い出のある建物です。  過去にもさまざまな経緯がありましたが、今回はどのようにされるのでしょうか、お考えをお尋ねいたします。        〔徳田勝比古教育長職務代理者 登壇〕 ◎徳田勝比古 教育長職務代理者  三点についてお答えを申し上げます。  まず、階段昇降車の導入についてでございます。  現在、車いすを使用している児童・生徒は十五校十七名でございます。これらの子供たちに対しましては、入学前に話し合いを持ち、スロープや階段の手すりなど施設のバリアフリー化に努めてまいりました。また学校生活に支障がないように取り組んでまいったところでございます。  議員お述べになりましたように、エレベーターやリフト等の設置につきましてはまだまだ問題が幾つかございます。  そのような中で、議員御提案の階段昇降車は最近急速に注目を集めており、私どもも大変関心を持っているところでございます。  今後は、安全性、操作性、機能性の面など、既に導入されております学校、病院を含め、施設の使用状況等十分調査をいたしまして、導入について検討してまいりたいと思います。  次に、学校のトイレの問題でございます。  最近の一般住宅の事情や設備等が向上しております現状を考えますと、学校のトイレにつきましても整備が必要であろうというふうに考えております。  トイレの改修につきましては、これまでも学校と連携をとり、順次、洋式トイレ等の設置にあわせ、床のタイルあるいはブース等の改修を進めてきたところではありますが、御指摘になりましたような箇所も一部には見られます。  今年度より計画を見直しておりますので、それらにつきましては優先的に改修を進め、学校トイレが明るく清潔で、子供たちにとって親しみやすい場所になりますよう努めてまいりたいと思います。
     最後に、水前寺体育館の問題でございます。  議員もお述べになりましたように、水前寺体育館は東京の日活スポーツセンターを買収、移転新築し、昭和三十三年九月に完成したものでございます。昭和三十五年の第一巡目の国体では体操競技の会場ともなりました。  近年では、ミニバレーボール、あるいはバドミントン等で市民のスポーツ活動に気軽に利用できる施設といたしまして、平成十年度で年間約十八万人を超える多くの方々に親しまれ利用いただいておるところでございます。  しかし議員御案内のとおり、先般九月二十四日の台風十八号により、屋根に大小約五十カ所の穴があくなどの被害を受けております。現在休館させていただいております。  このため、復旧工事をすべきかの検討も行いましたが、築後四十年を経ておりまして、耐力度、防火基準の適合性、それに過去のさまざまな経緯等の問題もあり、大変残念ではありますが、解体もやむ得ないのではないかと考えているところでございます。  今後の対応につきましては、関係各課のプロジェクトによる協議も始めたところでございますが、議会の御指導をいただきながら十分に検討してまいりたいと考えております。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇〕 ◆磯道文徳 議員  学校の昇降車は導入とのことでございます。子供たちの大変な喜びの顔が浮かびます。  また、トイレについてもやっと年次計画での改修を行うそうです。これもまた喜ぶ子供たちの顔が浮かんでまいります。一日も早く快適なトイレをつくってあげていただきたいと思います。  残念ですけれども、水前寺体育館は危険な状況ということでございます。跡地利用についても十分な検討をお願いして次の質問に移ります。  少子化の傾向はとどまることなく、このまま少子化傾向が進めば、西暦二一〇〇年には日本の人口が六千七百万人に減少するとの予測もあります。  公明党は、こうした少子化への本格的な対策の第一弾として、第一次補正予算で少子化対策臨時特例交付金約二千三億円を推進。今国会でも多様な保育ニーズに対応した多機能保育所の整備などを強く要望。第二次補正予算に約五十五億円の多機能保育所の整備促進費が盛り込まれました。  さらに、新年度予算編成に当たって、今こそ本格的な少子化対策が必要と、現行の所得制限のある三歳未満児までの児童手当の拡充を要望しており、新児童手当制度として、所得制限を撤廃し、対象年齢を中学校の十六歳未満までとし、支給額も第一子、第二子に月額一万円、第三子以降に月額二万円と、これまでの倍額を提案しています。この新児童手当制度の創設に当たり、財源のあり方として、これまでの所得控除方式の廃止など税制の見直しと、年金制度の活用で賄うなどの具体案を提示しています。  今国会の議論でも、六日の衆議院予算委員会で丹羽厚生大臣は、少子化対策の重要な柱として、国と地方自治体がもっと責任を負うべきだと思うと理解を示しました。  さらに、公明党・神崎武法代表は、十日午前、国会内で小渕恵三首相と会談し、神崎代表が「自自公三党で合意して積み上げてきたものであり、我々は不退転の決意で取り組んでいる。」と述べたのに対して、小渕首相は「誠意を持ってやりたい。何とかうまくできるように双方で努力してほしい。」と答えています。  またこのほか、育児休業制度については、休業手当の給付水準、現行二五%の引き上げなども強力に求めております。  政府はことしの十二月に基本指針を取りまとめる予定ですが、これを真に実効性のあるものとするために、それに先立ち公明党として総合的少子化対策プランの策定について提案を行ったところです。少子化に対しての対策は国と地方自治体とが一体となって取り組むべきと思います。  三角市長は福祉政策には最良の施策を講じられ、多くの市民の皆様から喜ばれているところです。  このたびの少子化対策臨時特例交付金の使途も含め、少子化対策をどのようにお考えか、三角市長にお伺いいたします。  さて、熊本県では、これまでの三歳未満児の入院費と、ゼロ歳児の通院費の助成を、来年一月から、入院通院ともに対象を四歳未満児まで引き上げることになり、対象年齢の拡大という側面では、県下全体としては乳幼児医療費の助成制度が一歩前進することになります。  しかしながら、県の制度では、対象枠を広げると同時に、所得制限という応能負担と自己負担額という応益負担の考え方を導入しています。この二つの問題は、これまで熊本市が独自に助成してきた乳幼児医療費の助成制度の根幹にかかわることであり、熊本市としてはぜひとも、現行制度のままで対象児童の年齢枠の拡大を実施すべきであると考えますが、いかがでしょうか。  また、隣の福岡市では、財政の厳しい中、検討委員会を設けて討議を重ね、子育てを社会全体で支えるため、さらに乳幼児の医療費の対象を拡大することを来年一月までに決定すると報道されておりました。その内容を紹介いたしますと、これまでの三歳未満児までだった通院、入院費の無料を、入院費に限って就学前まで無料にする方針だそうです。  皆様既に御承知のとおり、私には五人の子供がおります。少子化に立ち向かい一人闘うこの私を笑う人がいます。上の四人は既に成人しており、一番下の子はまだ小学生です。五人の子育て経験から申し上げますと、乳飲み子のときは余り病院に行くことはありませんでした。保育園、幼稚園に通うようになってからが大変でした。  一人が病気になると次から次へとかかってしまいます。そして、小学校に入ると全くと言ってよいほど、病院通いは少なくなりました。三歳からが結構大変でした。  こうした経験を踏まえての提案ですが、四歳未満児までの対象年齢の拡大とあわせて、ぜひとも、四歳以上から就学前までについては、入院費だけでも無料にしていただけないかと考えますが、あわせて答弁をお願いいたします。  次に、子育て支援策の一つである産じょく期、つまり産後間もない期間における支援策についてお伺いいたします。  厚生省は、子供を産んだばかりの母親の育児や家事を支援するため、来年度から産じょく期ヘルパー事業を創設いたします。  核家族のため周囲に子育ての支援者がおらず、産後の体調がすぐれない母親の自宅に、保育士、保健婦、助産婦や育児経験者などのヘルパーを派遣する事業です。  女性にとって出産後の産じょく期は、体調がまだ戻らない上に育児不安によるいらいらが募りやすく、場合によってはノイローゼ状態に陥るケースもあります。近くに祖父母などの育児支援者がいればある程度負担が軽減されますが、父親が仕事で家をあけがちな核家族の家庭では孤独な育児も強いられることになります。お母さんから不安を除くすばらしい事業と喜ばれるものと思います。熊本市の対応と事業内容をお伺いいたします。  このたびの少子化対策臨時特例交付金で、待機児童の解消で約五百人の受け入れ枠の確保ができるとの答弁が、我が党の西議員にありました。働くお母さんの不安が一日も早く解消できるよう、早急な整備をよろしくお願いいたします。  また、認可外保育園についても、遊器具、保育備品の整備に設備整備費として交付されるようになりました。  これまでの熊本市の認可外保育所に対する支援策は、昭和五十一年度より四十八個所の認可外保育所に、園児賠償責任保険料と職員研修費を八十八万二千円助成してきただけでした。この意味で、今回の特例交付金に熱い期待をしておられることと思います。  ところで、私の心配は、団地など特定した地域に子供が集中した場合です。  周辺の保育園で対処できれば問題はないのですが、現在大型の団地の造成工事、市営住宅の建てかえなどが行われており、不安な原因はたくさんあります。  大阪府は待機児童対策で、府営団地の空き地を活用して、定員二十人程度の小規模保育所を設置するとしています。入所希望の多いゼロ歳から二歳児を中心に受け入れていく方針で、この程度なら厚生省の基準内であり、延べ百から二百平方メートルほどの建物で済み、団地の空き地で足り、建設費も二、三千万円程度で済むということです。  児童福祉法の昨年の法改正で、既にある保育所の分園であれば定員三十人未満でも認可保育所となります。公立保育所と同じサービスが保障されますので、給食を本園から運ぶことも可能となり、調理室の建設コストを節約できるメリットも生まれてまいります。  今回の特例交付金の活用で、全体として待機児童の解消が三年間で行われますが、特殊な事情からある地域に待機児童が集中することも予想されますので、その場合にはぜひとも検討いただくようお願いをしておきます。  また、認可外保育所の助成ですが、厚生省も保育所の認可要件の緩和を年内にも実施する意向と聞いております。熊本市において、もし認可外保育所がなかったら大変な待機児童の数になることは明らかです。  厚生省の緩和を受け、助成制度を拡充する時期と思いますが、いかがでしょうか。横浜市などでは独自の基準で補助をしています。同じ熊本の未来を担っていく子供たちです。思いやりのある御答弁を期待いたします。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  磯道議員にお答えいたします。  現在、少子化の問題は大きなまさに国民的課題であると私も認識をいたしております。高齢者がふえる一方において、生まれてくる子供の数が減少し、高齢者人口がピークと予想される二〇五〇年には、国民の三人に一人が六十五歳以上になるという社会を迎えることになります。  この少子化の問題は二十一世紀の日本社会のあり方そのものに多大な影響を及ぼすものと推察され、例えば、経済面におきましては労働力の減少や現役世代の社会保障費の負担増大、また、社会面においては子供の社会性が生まれにくくなるなど、子供の健全な成長への影響が懸念されます。  今日、児童をめぐる痛ましい出来事が後を絶たない状況を見ますときに、私は、特に将来を担う子供の健全育成は最も力を入れて取り組まなければならないと考えているところでございます。  そこで本市といたしましては、先般策定いたしましたくまもと市こどもプランの子育て支援の施策を積極的に推進するとともに、先日も述べましたが、いよいよ新年度から「雑草の森」の建設も本格化させます。また、青少年育成のための計画も進めているところであります。  このようなときに政府といたしましては少子化対策臨時特例交付金を創設されたわけでございまして、地方自治体といたしましては大変うれしい思いをいたしているところでございます。  この特例交付金につきましては、さきにも述べましたように本市の場合十五億五千万でございまして、五千万は本年度中に子ども文化会館等の遊戯器具、あるいは児童館の図書費、あるいは子育て支援キャンペーン等々に使途が組まれておりまして、今議会に提案をさせていただいておるところでございます。  残りにつきましては、十二年度、十三年度に割り振っております十五億円につきましては、ただいまのところ基金で積み立てをいたしまして、大体厚生省との打ち合わせの中では、大枠のたたき台等については当該局において検討しているところでありますけれども、その後詳細に各関係部局において煮詰めて有効に使わせていただきたいというふうに考えております。        〔議長退席、副議長着席〕  議会におかれましても、少子化対策や青少年健全育成に係る特別委員会を設置され熱心な御論議をいただいているところでございまして、御指導をちょうだいいたしたいというふうに思っております。  今後、今議会で提案申し上げている少子化対策の着実な展開を図りますとともに、市議会各位の御指導、御協力を賜りながら全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。        〔工藤磐健康福祉局長 登壇〕 ◎工藤磐 健康福祉局長  私からは福祉問題について三点、磯道議員にお答えいたします。  まず、乳幼児医療費助成についてでございます。  本市では本年四月から、歯科につきましては四歳未満までを五歳未満までに対象年齢を一歳拡大したところでございます。  県の制度につきましては、議員御指摘のとおり、対象枠を広げると同時に所得制限及び自己負担額という新たな負担を導入してまいりました。この二つの内容は制度の根幹にかかわり、影響するところは大きく広いものがございます。子育て家庭への社会的支援のあり方にも関連する問題であり、慎重な論議が必要であろうと受けとめております。今後議会の御指導も賜りながら、新年度をめどに引き続き検討してまいりたいと存じます。  議員御質問の入院費の就学前までの無料化につきましても、このような中で検討させていただきたいと考えております。  次に、産後間もない母親支援ヘルパーの派遣についてであります。  厚生省が平成十二年度から産じょく期ヘルパー派遣事業として創設を予定しているところでございます。本市といたしましても、核家族化が進行する中で産じょく期の母親への支援は重要であると認識しておりまして、さきの議会において藤岡議員に御提言いただきました産後ケア事業も含めまして検討をしているところでございます。  現在保育園で子供たちを一時的にお預かりする一時保育や子育て支援センター、また労働省所管のファミリーサポートや保育サポートなど、子育て中の家庭への支援施策の拡充が図られているところでございます。  今回の少子化対策臨時特例交付金で、認可保育園の一時保育、保育園や家庭と連携して子育て相談や育児不安の解消をお手伝いする子育て支援センターの拡充を進めてまいる計画であります。  いずれにいたしましても、社会全体で支える子育て支援施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  最後に、認可外保育園に対する助成についてでございます。  入所児童の福祉の向上を図ることを目的に、安全や健康面に配慮して一定の基準を満たす園に対して、園児の事故等にかかる賠償責任保険、児童の処遇向上に資する職員の研修費用に対する助成を行っております。  本市におきましては、今回提案させていただきました少子化対策臨時特例交付金で補助対象にもなっており、認可外保育園に対しましても大型遊具や保育材料等の助成を行うよう計画しております。  いずれにいたしましても、認可外保育園が果たしている一定の役割にかんがみ、健康、安全面などの指導監督を行いながら、児童の保育環境の向上に努めてまいりたいと考えております。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇〕 ◆磯道文徳 議員  乳幼児医療費助成についてですが、福祉発祥の地熊本でございます。熊本市福祉のポリシーに期待をいたしまして、すばらしい支援策をお願いしておきます。  産じょく期ヘルパー派遣、そして産後ケアの実施、お母さん方が安心して育児ができる環境が新年度から整いそうです。  また、認可外保育園についても手厚い制度の実施に期待をしておきます。  次に、住宅問題についてお尋ねいたします。  団地入居の高齢者の方々から、足の関節が悪くなったので、一階か二階に移りたい、動悸がひどいので下の階に移りたいなど、最近、頻繁に住みかえの相談を受けます。  こうした問題に対して、住宅管理課は、病院の診断書を添えて申請すれば住みかえに応じているところですが、部屋があかずになかなか転居できない現状にあります。それでも病気で診断書の取れる方はよいのですが、季節によって症状が変わったりで診断書のとれない方々は住みかえができない状況です。特に女性の場合、見た目には健康でも骨粗鬆症になっていて、もし階段でつまずきでもしたらそれこそ大変です。  我が党は公営住宅にエレベーターの設置を訴えてきました。  熊本市では、平成八年に建てかえで完成した万石南団地は三階建てですが、高齢者が多かったこともあってエレベーターを設置していただくなど努力していただいております。  こうした中、今年度の第二次補正予算案において、建設省関係の枠の中に、公明党の要求により、良質な公共賃貸住宅三万戸の追加供給が盛り込まれました。  この三万戸の内訳は、既にできている中層(三階から五階)廊下型の公営住宅三千戸にエレベーターを設置することを含め公営住宅が一万三千戸、公団住宅を活用した高齢者向け優良賃貸住宅が一万戸、特定優良賃貸住宅などが七千戸となっています。  そこでお伺いですが、熊本市の市営住宅には対象となる廊下型の住宅はどこに何棟あるのでしょうか。またあるのであればぜひエレベーターを設置してはと思いますが、いかがでしょうか。  また今回の国の対象外でも、既存の三階から五階の中層住宅でもエレベーターを設置すべきであると、これまで会派で主張し、検討いただいてきたところですが、その後の検討状況はどのようになっているのでしょうか。あわせてお答えください。  さて、建設省は、老朽化した公営住宅の全面改装を支援する制度を来年度から始める方針を固めました。これは改装費の半額を補助するもので、現在は浴室の新設など設備の機能向上を対象にしたものに限っていますが、新たに全面改装も対象に加えるということです。  同時に、高齢化の進展を考慮し、単身や夫婦のみの高齢者が住みやすい住宅へと転換を進める方針です。  全国的に六五年から七四年に建てられた住宅は一戸当たり四十平方メートルと狭く、一部屋の広さが四畳半から六畳しかないため、入居者からは住みづらいという声が上がっていました。また、浴室や台所など設備の老朽化も相当進んでいますが、柱、床など建物の重要な構造部分の耐用年数は七十年で、改装すればまだ三十五年以上住むことが可能になります。  熊本市の場合も、新地団地や楠団地などは新旧混合の団地で、高齢化も進んでいます。  熊本市として、紹介した新たな、公営住宅全面改装が追加になったこの制度を、どのように活用し取り組んでいかれるのか。また、どのような全面改装になるのかお尋ねいたします。  引き続き市営住宅の問題ですが、現在、老朽化した市営住宅の建てかえを進めていただいているところですが、先日も十一月に楠団地の二期目に入居された方から「こんなすばらしい団地に住めるなんて、長生きしてよかった。」との感謝の声が寄せられました。  このように団地が新しくなることは喜ばしいことなのですが、新たな問題も発生しています。  この新地団地は、アートポリスの関係で、プールや照明の維持費、エレベーターの電気料などの共益費がほかの団地と比べて高く、地元でも問題になっています。今後の住宅の計画では、太陽光発電、中水道の布設など、環境に配慮した団地の建設も予定されていると聞き及んでおり、共益費が今まで以上に高くなることが予想されます。  そこでお伺いですが、管理者の熊本市が負担するものと、使用する市民が負担するものを明確にして、入居申し込みの時点か入居の契約の時点かで、住宅使用料のほかに共益費の負担が幾らありますということを、市民の皆様に通知するべきであると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。        〔松下尚行建設局長 登壇〕 ◎松下尚行 建設局長  市営住宅に関するお尋ねで、一点目は中層住宅へのエレベーター設置への取り組み、二点目は、国が新しく制度創設いたしました老朽化住宅の全面改装支援策に対する熊本市の取り組み状況、三点目は共益費負担のあり方についてのお尋ねでございます。この三点についてお尋ねいたします。  まず、一点目のお尋ねでございますが、中層住宅の片廊下型でエレベーターの設置がなされていない住宅は、渡鹿団地を初め十五団地二十七棟となっておりますが、エレベーターの設置検討状況につきましては、二点目の全面改装のお尋ねとも関連いたしますので、あわせてお答えいたします。  御承知のとおり、昭和三十年代後半から大量に建設されてきました中層耐火の住宅が更新の時期を迎えた今、住宅の量的確保を目的として進められてきた国の住宅政策は、少子高齢化の進行、環境問題の重要性の増大、安全性、快適性など多様なニーズを踏まえて、住宅ストックを重視した政策へ軌道修正が図られております。住宅ストックの多様な活用による効率的かつ的確な供給を図るための事業として、公営住宅ストック総合改善事業が国において来年度新設されますことは、ただいま議員が御指摘になったとおりでございます。  このため、本市におきましては新年度で市営住宅ストック総合活用計画の策定を予定しており、市営住宅の適切な改善方針について検討してまいりたいと考えております。  具体的な改善手法といたしましては、建てかえによる更新だけでなく、内外装や設備の全面改装による維持保全や、増築による住戸面積の拡大、階段室型住宅へのアプローチの改善等が検討の対象になるかと存じますので、お尋ねのエレベーターの設置につきましては、平成十年建設いたしました三階建ての万石南団地に、御指摘のようにモデルケースとして設置いたしておりますが、片廊下型に限らず階段室型住宅をも含めた中で検討が必要であり、本計画の中で、長期的、総合的な見地から十分検討させていただきたいと考えているところでございます。  三点目の共益費についてでございます。  共益費は市営住宅の入居者の共通の利益を図るための費用でございまして、入居者個人の専有とするには不適当または不可能な施設の維持に要する費用でございます。  御指摘の電気料を初め共同水道費、排水管の清掃費などがそれに当たると思っておりますが、このような共同施設の維持費用につきましては、共益費として入居者の皆様で負担していただいているところでございます。  今後、議員御指摘のように、入居者に対し共益費の意義や負担の必要性を理解していただくため、最初の申し込み、入居時等に共益費についてわかりやすく書いた説明書の配布を検討しますとともに、年二回配布しております「はーとふる」などの広報紙を通じまして周知を徹底させたいと考えております。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇〕 ◆磯道文徳 議員  中高層の市営住宅にお住まいの方への朗報です。現在建てかえを行っている団地は木造か簡易耐火構造が主で、それも築後最低二十五年以上という基準があります。新年度の予算化により全面改装へのめどが立ち、エレベーターの設置も実現しそうです。
     また共益費については、くれぐれも住民同士のトラブルが発生しないよう徹底方をお願いしておきたいと思います。  住宅の使用料にはペナルティーがありますが、この共益費にはペナルティーがありません。管理人さんの御苦労をどうか御理解いただいて、利用される市民の方にぜひ御理解をお願いしていただくようお願いしておきたいと思います。  都市づくりの問題についてお尋ねいたします。  九月二十四日未明に襲った台風十八号の被害は、平成三年の台風十九号のとき以上の被害を熊本市にもたらしました。被災者の皆様には心からお見舞いを申し上げます。  このたびの台風で一番困ったことは停電ではなかったでしょうか。家庭でも、会社でも、この文明社会で電気が来るのは当たり前のことだけに、停電のときほど生活に支障を来すものはありません。  さきに西議員が質問したように、私たち公明党は災害現場に調査団を派遣しました。  私も小川町、鏡町、竜北町に同行しました。大変な被害状況でしたが、移動途中の国道、県道、農道などの電柱の倒壊が非常に目につきました。電柱も風を受けますが、台風時に電線への風圧も大変なものがあり、電線が柱を引き倒すケースもあるとのことです。  熊本市は、昭和六十一年度より電線地中化(キャブシステム)事業を開始し、現在までに延長約二十一キロメートルが地中化されています。  建設省は、地中化の必要性を、一、安全かつ円滑な交通の確保、二、景観、三、都市防災、四、安定供給の上から推進しています。  また、地中化の効果として、電柱衝突等の事故の減少、歩道の快適性の向上、都市景観の向上、電力、通信の信頼性の向上を挙げていますが、特に防災の面から、電線の地中化は市民の生命と財産を守る上からも必要な事業であると思います。  そこでお伺いですが、地中化の全体計画と、その進捗状況をお示しください。  また、電線の地中化事業を全市域で実施できないものか、あわせてお尋ねいたします。  次に、道路の問題について伺います。  今議会に「損害賠償に関する調停について」が議案として上がっています。このことも含め、市道路上の事故は、道路法第四節第四十二条で「道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。」と定めています。  この法律に基づき、熊本市では道路パトロール実施要領を定め管理をされています。具体的には、約二千四百キロメートルの市道を一〇〇%管理するために、行政による道路パトロールのほかに、郵便局の配達員さんの協力や、道路一一〇番での市民の協力などいただいて実施されています。こうした努力もあって、市道上での事故は減ってはきているものの、路上事故はまだまだ後を絶ちません。  私たちにも市民の方々から、側溝のふたが落ちているとか、道路にポットホールがあるとか通報がたくさんあります。あるいは、みずから気づいたときには道路センターへ電話とかファクスとかで依頼をしております。  先日も、ある学校の正門の近くに大きめのポットホールを見つけました。学校の正門のそばということから、当然、学校関係者の方が道路一一〇番か道路センターへ通報されるものと思っていましたが、それから約二週間後、そこを通ったとき、まだそのままの状態でしたので、すぐに通報し処置していただきました。まだまだ通報してもらうシステムが周知されていないようです。  さて、奈良県では、プロの運転手の目で道路異常の情報を得ようということになり、旅客、運輸業界などと覚書を交わし、道路の穴、落石、倒木、土砂崩れなど通行に支障になる異常を通報してもらうようにしているとのことです。  そこで提案ですが、熊本市六千五百人の職員の方はもちろん、旅客、運輸業界にも協力を依頼されたらと思いますが、いかがでしょうか。事故を一件でもなくすためにあらゆる通報システムが必要です。ぜひ御見解をお聞かせください。  毎日毎日、交通事故の記事が載っていない日はございません。どうか御検討をよろしくお願い申し上げます。        〔松下尚行建設局長 登壇〕 ◎松下尚行 建設局長  都市づくりに関する道路の問題、電線の地中化、道路のパトロールについて、この二点お答えいたします。  まず、電線の地中化のお尋ねでございます。  諸外国と比べまして大変おくれております電線類の地中化につきましては、議員もお述べになりましたように、都市づくりの観点や市民生活の安全を守る立場から、昭和六十一年度に始まり、これまで三次にわたる五カ年計画を経まして、全国で約四千キロメートルの地中化が行われ、本市におきましても、県庁前を初めとし、産業道路、白山通り等の重要幹線道路、あるいは市の中心部におきまして、御指摘のとおり約二十一キロメートルの地中化を行っておるところでございます。  さらに、平成十二年度より始まります新電線類地中化五カ年計画では、全国目標を三千キロメートルとし、これまでの地中化計画と比べその対象区域を広げ、より積極的に取り組むこととされておりまして、この事業が防災の面で、さきの阪神・淡路大震災時も大変有効であったことから、国、県を初め各電線管理者と緊密に連携をとりながら進捗を図っていきたいと考えております。  次に、道路パトロールについてのお尋ねでございます。  道路の安全管理は私ども道路管理者の第一の使命であり、議員もお述べになりましたように、道路パトロールを強化するとともに、国道、県道、市道にかかわらず、情報提供や相談窓口としての道路一一〇番を全国で一番最初に市役所内に設置するなど、早期発見、早期補修に努めてきたところでございますが、いまだ道路の管理に帰する事故がなくなるまでには至っていないのも現状でございます。  そのため、郵便局と協定を結び、配達の途中気づいた道路情報の提供を連絡いただくとともに、本市においてもことしの六月に、市役所職員全員から積極的に情報提供を求めるため各課に対し協力をお願いしてきたところでございます。  しかし、いまだこれも十分とは申せませんので、議員御提案のように、市職員に対しこれからも情報提供の徹底をお願いしていきますとともに、民間の企業に対しましても、通常の業務を通じて情報の提供をお願いし、事故の未然防止につなげることを検討してまいりたいと考えております。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇〕 ◆磯道文徳 議員  電線の地中化については対象区域を広げていくということでございます。積極的な推進をよろしくお願いしておきます。  また、道路管理は非常に大事な仕事でございますので、ぜひとも職員の方々の協力をいただきながら鋭意進めていただきたいと思います。  それでは、最後のその他の項の質問に移ります。  三点ございますので、一括してさせていただきます。  その他の項目の最初に、中小零細企業への支援策についてお尋ねいたします。  長引く不況の中、個人消費は長期低迷し、熊本市の中小零細企業も直撃を受け、軒並み売り上げを減少させています。これに追い打ちをかけるように、金融機関の中小零細企業に対する貸し渋りが発生しました。さらに悪いのは、商工ローンが蔓延し、その命を取らんばかりの厳しい取り立てが社会問題となっていることです。  こうした中、熊本市も、融資制度の金利の引き下げ、貸付限度額の引き上げなどを行ってきました。  また国では、貸し渋り対策として、昨年十月から二十兆円の貸付枠を確保し、中小企業安定化特別保証制度をスタートさせています。  それをばらまきだと批判する声がありますが、中小、とりわけ零細な企業の経営状況や金融の実態をわかろうとしない的外れの批判です。  八日の国会答弁でも、公明党の木庭参議院議員の質問に対して、深谷通産大臣は「特別枠は一〇%のリスクを覚悟していたが、代位弁済は〇・四%にしかすぎず、これまでに、中小零細企業の皆さんが懸命に努力して、既に二兆円が返済されている。」と答弁しており、不況と格闘している涙ぐましいばかりの姿が見てとれます。  小渕総理は今国会を中小企業国会と位置づけ、中小零細企業への支援策を打ち出しています。その中では、明年三月で終わる予定の特別保証制度を一年間延長し、新たに今年度五兆円、来年度五兆円分、合計で十兆円の融資枠の積み上げが行われることになります。貸し渋りで資金繰りに悩む中小零細企業の皆さんにとって強力な助っ人になることは間違いありません。  そこでまずお尋ねしたいのは、この中小零細企業支援策としての特別融資枠が、これまでどのような成果を上げてきているのでしょうか。  また私は、二十一世紀の熊本市の経済を支えるためには中小零細企業の育成が重要であり、特に新しい会社、いわゆる起業家が育つ必要があると痛感しています。  その支援策として、現在は開業・転業資金融資制度と一般開業資金融資制度があります。その条件を見ると、いわゆるのれん分けの場合五百万円、異業種開業で三百万円が限度となっています。  しかしながら、これら制度だけでは、起業家支援という観点で考えると、金額的にも条件的にも不十分ではないでしょうか。  特にのれん分け以外にもUターンやJターンでも新規事業が起こしやすいようにすべきだと考えます。  これまでは、開業資金のうちのれん分けと言われる融資制度は、市内に一年以上居住し、隣接市町村内の同じ会社で三年以上の勤務実績が必要でした。また転業では、熊本市内で三年以上の事業経営の実績が必要ですし、一般開業資金は市内に三年以上住んでいることが条件です。  これでは、Uターンしてすぐに故郷で事業を起こしたいと思っても、Jターンで熊本に来て新しい仕事や会社を起こそうとしても、すぐには融資が受けられません。  こうした問題を解消するために、これまでの両融資制度を発展的に解消し、新たに(仮称)創業者支援融資制度を、上限枠も引き上げて実施できないものでしょうか。  この起業家、つまりベンチャー企業への熊本市独自の支援策については、昨年の十二月議会で我が党の鈴木弘議員も提案していますが、これまで日常の相談が多い中で、担当部課長に実現に向けて一生懸命努力をいただいてきました。  そろそろ環境も整いつつあるのではと思います。現時点での状況と、検討されている内容、実現時期などがわかればお答えいただきたいと思います。  周遊バスについてお尋ねいたします。  熊本市への観光客の減少がさらに昨年を下回ったとの報道がなされておりました。  九月の県議会で、熊本城周遊バス事業について、市の意見を聞きながら引き続き検討したいとの含みは残したものの、利用者が減り続け事業改善のめどが立たないとして補助金を打ち切り、事業から撤退したいとの意向が示されております。今までも、この周遊バスについては、我が党の鈴木弘議員からの提案も含め、さまざまな論議がなされてきたところです。  私としては、熊本市観光のためには存続の方向で検討すべきとの思いで他都市の事例を紹介してみたいと思います。  さきの報道の後、他の調査もあり、我が党の鈴木弘議員と二人で仙台市を訪問しました。仙台駅を出るとすぐにバスターミナルがあり、市営バスと民間バスとが乗り入れておりました。ここを起点に、本市の周遊バスをさらに大きくした、クラシックでゴージャスなループルバスを運行していました。  早速乗車してみると、各停留所にはループルバス専用の、これもすばらしい時刻案内標柱があり、三十分間隔で、一日乗車券六百円、どこでも何回でも乗れます。  停車場所は、市役所前、県庁前、青葉城、美術館、博物館、東北大学、仙台駅、ほかに名所旧跡など、まさに観光スポットを点から線へ、そして面への拡大を実現しているなと、二人で感心したことでした。  熊本城の周遊バスもさまざまな問題をクリアせねばならないと思いますが、市内の施設も含め、観光客もそして一般の市民も利用しやすいルートへの変更も含め検討いただければと思います。  またその際、路線バスとして走っているレトロバスも一緒に考えてはいかがでしょうか。県とのことも含め所感をお聞かせください。  最後に、水道局に関する質問を行います。  私は、熊本市の地下水から成る上水道の水は日本一おいしいとの誇りを持っております。ところが、近年の健康ブームで浄水器を使用する傾向にあります。特に中高層のマンションに多くその傾向があるようです。  テレビでも、高齢者宅に訪問して、塩素に反応する試薬を入れ、色が黄色く変わるのを見せて高価な浄水器を売っている業者のことを報道していました。  熊本市は平成七年から三階まで直結給水を開始しているところですが、熊本市と同じ森の都(杜の都)の仙台市では、これまた熊本市と同じ三階までの直結給水方式だったのを、中高層建築物への受水装置施工基準を改め、十階建てまでの建物に、地中の配水管に増圧ポンプをつないで給水するように改めました。  さきの公営企業決算特別委員会の論議の中で高架水槽内の衛生問題の指摘もあっておりますし、この方法をとれば、何よりも熊本市の誇りとするおいしい水が各家庭に直接給水できるようになり安全です。  高価な浄水器などは必要ありませんし、高架水槽が不要になりますので、市街地の景観向上にも役に立ちます。  さらには、地下にあった受水槽も不要になりますので、建設費の削減にもつながります。そればかりではありません。スペースにも余裕が生じ活用できるなど、市内にある約六千五百棟のビルやマンション、そのほか、今から建設予定の建物にと、いろいろと役立つものと思います。  熊本市水道局の優秀な技術力を結集し、諸問題をクリアしていただき、中高層の建物への直結給水方式が実現できないものでしょうか、事業管理者にお尋ねいたします。        〔竹田克彦経済振興局長 登壇〕 ◎竹田克彦 経済振興局長  中小零細企業への支援策について二点のお尋ねでございますが、磯道議員にお答えいたします。  まず、中小企業への支援策としての融資につきましては、本市では十二の制度を設けて経営の安定化に努めておりまして、十年度の実績としまして融資件数一千七百七十六件、融資金額約七十四億円となっており、前年度に比べますと、件数では二七%、金額では二一%の伸びとなっております。  お尋ねの国の緊急経済対策として創設されました金融安定化特別保証制度の成果についてであります。この制度が昨年十月実施されましてからわずか一年余りで、本市の分としまして約三千七百件、金額にして約六百億円の借り入れとなっていることからいたしましても、極めて多くの中小企業の方に利用され、資金需要に役立ったものと考えております。  一方、磯道議員もお述べになりましたとおり、この特別保証制度の融資枠の上積み、及びこの制度の取り扱い期間の一年延長などがただいま国会で論議されております。これが適用されますと、中小企業の方々の経営の安定、ひいては景気の回復につながるものと考えております。  次に、起業家に対する本市の支援策として、これまで起業化アドバイザー制度や起業化セミナーの開催にあわせ、開業・転業資金と一般開業資金の制度融資に取り組んできたところであります。  しかしながら議員御指摘のとおり、既存の融資制度では新規の経営者やベンチャー企業、あるいはUターンなどされた方々が新たな取り組みができない点がありましたので、これまでの議会での論議を踏まえまして、条件面の整備や限度額の引き上げ等を含め、早期開設に向けた検討を重ねてきたところであります。  しかし、公的機関の既存融資制度との整合性や県信用保証協会など関係機関との調整に時間を費やし、また現在開催されております国会で、ベンチャー企業の技術力等を基準にした無担保融資制度の創設などを盛り込んだ中小企業金融公庫法の改正などが審議されておりますので、これらにあわせ、今後、議員御指摘の点を踏まえ、早期の実施に向けて関係機関と協議を続けているところでございます。よろしくお願いいたします。  次に、熊本城周遊バスの件でお答えいたします。熊本城周遊バスの運行路線の見直しについて仙台市の例を挙げてのお尋ねでございます。  御案内のとおり、この周遊バスは、熊本城と周辺の文化施設ヘの利用者の利便性向上を目的に、県市共同で平成四年から運行開始されたものでありますが、利用者数は、平成五年の約七万人をピークに年々減少傾向にあります。  そこで、議員御提案のように、また、これまでにも本議会におきましていろいろな御提言をいただいておりますが、熊本城を中心に市内の各施設を結ぶような観光客の利便性を考慮した路線の変更、あるいは中心商店街の活性化を視野に入れ、買い物客の方にも利用していただけるような、中心市街地へのバスの乗り入れなどの運行路線の変更や運行時間の拡充により熊本城周遊バスの活性化ができないかと考えております。  したがいまして、これまでにも、市内一円の観光施設を周遊運行している鹿児島市、観光施設とショッピングゾーンを運行している神戸市などの調査を進めてきたところであります。  しかし現時点では、運輸省の認可や民間バス会社との競合問題の調整などさまざまな問題が考えられますことから、御提案のレトロバスの活用を含め県や交通局など関係部局と協議を重ね、バス運行に関する規制緩和が実施されます時期に合わせ、この改善策について検討してまいりたいと考えております。        〔森高聖之水道事業管理者 登壇〕 ◎森高聖之 水道事業管理者  磯道議員にお答えいたします。  十階程度の建物への直結給水の導入についての御質問でございます。  本市におきましては、現在のところ、二階建てまでの建物は直結給水方式、三階建て以上の建物では受水槽方式による給水を原則といたしております。  しかしながら、受水槽を要しない三階直結給水につきましては平成七年度からの第五次拡張事業計画の中で取り組み、基準に適合した建物に対しては給水を許可しており、平成十一年七月末現在で二百三十六件の二千四戸に至っております。  御指摘の十階程度の建物への直結給水は、建物の所有者が増圧ポンプ装置を設置することにより各階に直結給水する新しい方式であります。  議員御案内のとおり、この方式を採用することにより、新鮮な水の供給のほかに、配水管水圧の有効利用による省エネルギーの推進、受水槽等の設置が必要でないため、土地、建物のスペースが有効活用できるメリットがあり、より一層の市民サービスの向上につながるものと思っております。  この方式を実施するに当たりましては、周辺の給水施設に与える影響が大きいことから設置基準等を細かく定める必要があり、平成十年度から水道局内で調査検討を重ねてまいったところでございます。  その結果、実施可能との判断に至りましたので、基準に適合しているところにつきましては平成十二年度から実施していきたいと思っております。        〔三十九番 磯道文徳議員 登壇〕 ◆磯道文徳 議員  ベンチャー企業、起業家への支援策、一日も早い制度化ができますよう要望しておきます。  また、周遊バスの運行路線の見直しについては、規制緩和が実施される平成十三年度に合わせるとのことです。楽しみにしていたいと思います。  最後に、水道の十階までの直結給水方式、新年度の十二年度から実施するとのことです。経済が冷え込んでいる時期に一番の朗報ではないかと思います。水は命の源です。基準に適合している場所の早期公表とポンプ設置の支援制度の実現についても強く要望して私の質問を終わります。  長時間の御清聴まことにありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○鈴木昌彦 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。                午前十一時三十四分 休憩                ────────────
                   午後 二時  一分 再開 ○江藤正行 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。      ───────────────── ○江藤正行 議長  質問を続行いたします。村上博議員。        〔七番 村上博議員 登壇 拍手〕 ◆村上博 議員  皆さん、こんにちは。私は、くまもとの村上博です。  ことし四月末、仲間たちや市民の皆様方の温かい御支援のもと、熊本市議会初の車いす議員として議席を与えていただき、以来、今日までの七カ月の間、私を応援してくださる皆様方の助言と叱咤を背に、だれにも負けない熱意を持って取り組んでまいりました。  本日が私の初質問となりますが、このような早い時期に登壇の機会を与えていただきました同僚議員各位の御高配に心から感謝申し上げる次第です。  それでは早速質問に入らせていただきますが、お許しをいただきまして、若干項目の変更、あるいは順序を入れかえさせていただき質問いたしたいと存じます。  三角市長初め執行部の明快で心のこもった答弁をお願いいたします。  まず、バリアフリーについて数点のお尋ねをしますので、それぞれについて、三角市長を初め関係局長の御答弁をお願いいたします。  さて、私の市議会議員としての初仕事は、今、私がいるこの演壇の改造から始まりました。この演壇は無段階に上下することができますが、このほかにも、傍聴席の車いすスペースの拡大や議会棟入り口の段差解消などが行われており、まさに「一人の存在が議会棟を変えた」ということで感無量の思いですが、ここに至ることができましたのは、顔を合わせるたびに心強く声をかけていただいた江藤議長の温かな思いやりとともに、私が抱えるさまざまな問題に対する各会派の皆様方の深い御理解があったためであり、この席をおかりし厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  さて、これらの改造に当たって、当初はどんなやり方にするのかがなかなか定まらず、その余りの難しさに、私自身、皆さんに御迷惑をおかけするより、いっそ普通のテーブルを演壇の前に置かせてもらって、そこで質問しても構わないかなと思ったりもしました。  そのような八方ふさがりのとき、快く協力をかって出てくれたのが、常々障害者の生活環境改善を考え取り組んでくれている私の仲間たちでした。彼らの建築と木工に関する専門的なアドバイスを得て、図面だけでは見落としがちなチェックができました。  幸いなことに、今回は立派な演台ができ上がりましたが、彼らのバリアフリーについてのアドバイスがなかったら、これほどスムーズにはいかなかったのではないでしょうか。  もともと、公共施設の改造や新築に当たっては、すべての市民の方々に理解し満足してもらうために、使用に当たってのハンディキャップの多い障害者や高齢者の意見を聞き、これに専門家の知識を加えて具体化することが基本であり、さらに、これらをルール化しておくことが必要ではないでしょうか。私はこのルールをあえて「仕組み」と表現させていただきます。  しかしながら、私が調べた範囲では、これらの仕組みが見当たりません。強いて言えば、各局の部長で構成される熊本市やさしいまちづくり推進会議というのがありますが、この組織は各部門の連絡、調整と結果の集約が主な目的です。  申しわけないですけど、この推進会議の内容では、高齢者や障害者が地域の中で自立生活を実現できる地域づくりにはつながっていかないのではないでしょうか。  一例を挙げさせていただきますと、美粧化トイレ計画におけるバリアフリーへの取り組みの結果としてでき上がったトイレを見ますと、一見して何の問題もないちゃんとした車いす対応トイレに見えます。  そこで、私たちは市内十カ所のこれらの中の幾つかのトイレについて調査しました。トイレのドアをあけるのに電動式と手動式のがありますが、この理由を尋ねても納得できる答えが返ってきませんでしたし、私自身も理解できませんでした。  また、便器を初めとする機器類の配置にしても同様であり、配置のまずさで便器に近づけないという話はこれまで数多く聞いていますが、車いすの障害者は、そのトイレが使えなかったら別のを使えばいいというわけにはいかないのです。外出に備えて前の日から水分の摂取を控えている車いすの女性たちがいることを御存じでしょうか。  また、「どなたでもご利用ください」というシールがドアに張ってありますが、なぜ傾斜した鏡がつけてあるのでしょうか。  確かに車いすの人にとっては便利なのですが、松葉づえの人にとっては、姿勢を低くするために松葉づえを水に濡れた床の上で横に大きく広げなければならず、大変に危険なのです。なぜ、こうなったのでしょうか。  現在のバリアフリーへの取り組みを、車いすを中心としたものに焦点を絞り過ぎた結果がこうなったのです。バリアフリーとは決して車いすの人だけのためにあるのではありません。俗に言う健常者であっても、妊娠し、あるいは年齢を重ねるとともに、そのバリアは高く多くなっていきます。  今後の高齢社会を考えますとき、バリアフリーはまさに自分自身の問題であり、みんなの問題なのです。  たかがトイレの傾斜鏡ですが、これを企画した人、工事を担当した人のバリアフリー感覚を映し出す鏡とも言えるのではないでしょうか。  また、これとともに場所の選定なども同様です。  最近はあちこちの公園に車いす優先トイレが見られるようになってきましたが、市の中心部に限ってみると、市役所の庁舎内にあるトイレ以外には見当たりませんし、夕方の五時以降は使えなくなります。ということは、夕方以降は市内中心部には車いす優先トイレがないということになります。  私たちは、外出するときには常に車いす優先トイレの場所を念頭に置いて行動しますが、このような現状ですので、先ほど御紹介したとおり、外出する前の日から水分を控えたりと、自分たちで工夫するしかありません。  こういった不自由を強いられている仲間たちの意見を聞きますと、一番多いのが、市議会棟の敷地内にあればいいという意見です。市議会棟の敷地内、あるいはそのほかにも坪井川沿いの市役所バス停の横など、市の中心部には適当な場所が幾らでもあるのではないでしょうか。  以上、幾つかの例を挙げ、延々とバリアフリーとは何なのか、それを具体化する上で何が大切なのかについて述べさせていただきましたが、要するに行政だけでバリアフリーを実践していくことは大変に困難ということなのです。  そのためには、先ほど議場の改造の場面で御紹介したような、バリアフリーについての専門家のアドバイスを受けることについての仕組みを確立することが必要であり、このバリアフリー・アドバイザーには報酬制度を導入してでも定着させていくとか、また、場所あるいは施設を建設する際には、利用者に対してアンケート調査を実施するとか、利用者の切実な意見を直接聞くなどの対応が必要ではないかと思うところです。  私の経験や考え方をるる申し上げてまいりましたが、このバリアフリーに対する三角市長の基本的な理念と申しますか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  また、健康福祉局長には、その取り組みの現状についてあわせてお尋ねいたします。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  まず、村上議員が今日までのさまざまな経験を糧にしてバリアフリーをライフワークとされていること、そして、市民の代弁者として日々努力されておりますその真撃な姿勢に、心より敬意を表する次第であります。  私には、バリアフリーに対する基本的な理念というふうな御質問でございました。  少し理想になるかもしれませんけれども、私は、バリアフリーというものが余りにも日常生活の中で区別をされて使われているというふうに聞こえて仕方がないわけでありますが、本来でございますと、バリアフリーなんていう言葉がないような世の中にしたいというのが私自身の理念でございます。  例えばこの議場一つにしても、先ほど議員からいろいろお話がございました。  私も、さきに述べたことがあるかもしれませんけれども、県立劇場の基本設計に携わっておりまして、車いすの方が何の障害もなくコンサートホールに入れるような設計をというふうなことで、まず無事いったなというふうな思いをしておりましたときに、後で私も県議の一員に推していただいて、厚生委員会に所属して、自分自身車いすの体験をしていこうということになりまして車いすで行きました。  そのときに、車いすを実際使われておられる方々においでをいただいて、「三角さん、私たちは一番後ろからだけしか見られんとな。」というふうなお話がありましたときにずきっといたしまして、その後すぐ改良に取りかかろうということで予算を組みましたら、莫大な予算になってまいりました。最初からやっておけば大した金額はかからなかったはずであります。  そういう思いをいたしますと、一つは、私も障害者団体のお世話をしております関係で、その障害者団体の皆さん方とお話しをいたしますと、あらゆる障害者の方にすべて満足していただくというのは大変無理であります。  例えば、点字ブロックにいたしましても、視覚障害者の方と肢体不自由の方はかなり考え方が違うんだということになってまいりますので、やはり一つの建物をつくる、あるいはまちをつくるというときに、ある程度障害者も高齢者も、あるいは幼児も、いろんな意味で、七割、八割、九割の事柄に対して不便を感じない、そういうものを最初からつくっておくべきだというふうなものを考えておるところであります。そのためにはどうすればいいか。  一つ一つの物件の中で、あるいは行政においてバリアフリー検討委員会なるものをつくることじゃなくて、一つ一つの物件に対してどういうふうなところまで考えてつくっていくんだということが当たり前の姿でなければならないというふうに感じるわけであります。  障害者団体でヨーロッパ、アメリカ、交互に視察をさせていただいた時期もございました。そのときにやはりアメリカの方々は、バリアフリーというふうなことじゃなくて、車いすの方々も、視覚障害者も聴覚障害者もまちを不自由なく歩けるということが当たり前の姿だ、当たり前のまちづくりだ、当たり前の建物の建設だというふうなこと──もう向こうは当たり前でありますから、我々が質問をいたしましても当たり前の、そういった我々が考えられないようなものが返ってくるわけでありまして、これにはやはり最初のうちは非常に考え方にギャップがあるなという思いをいたしたところでございます。  そういうことで、すべての市民の方々が幸せを実感できる熊本市というふうに私も市政の一つの理念の中にうたっておりますように、すべての皆様方が、最大公約数を求めながら、生活に困らない、不自由しないというふうなまちづくり、建物づくり、そういったものが基本でなければならないというふうに考えているところでございます。  よく我々の仲間の中でも取り上げることが、公営住宅に左ききの人と右ききの人が入った場合、どういうふうな形にするか。両方ともいいような形の扉をつくっておかなければならない。  で、今村上議員言われました、この台が全くそのような形でありまして、調理台にしましてもこういう形であると非常に助かるなという思いがいたします。  そういうことで、村上議員が提案をされ、また村上議員の取り巻きの方々がお考えになり、そしてまた江藤議長初め、この市議会の中で、それは当然だというふうな形でこれができ上がったものと思います。  すべてのまち、すべての生活空間、生活の箱物の中で、これが基本的な理念、この台が基本的な理念というふうなことを考えていけばうまくいくのじゃないかなと。そしてそれには、やはり右ききの人に不自由、左ききの人に不自由、最大公約数の中で少々の我慢というか、訓練というか、それもしかるべきじゃないかなという気がいたすわけであります。  そういう思いの中で、私どももあえてそれに対する特別な部署を設けるということじゃなくて、すべてがそのような形で今後取り進むように懸命に努力をしていくつもりでございますので、よろしく御支援を賜りますようお願いを申し上げたいと思います。        〔工藤磐健康福祉局長 登壇〕 ◎工藤磐 健康福祉局長  バリアフリーへの取り組みについて村上議員にお答えいたします。  本市におきましては、平成三年度に市の施設百カ所の実態調査を行い、平成四年度から順次施設改良等に取り組んでおり、特に平成七年度には、障害者や高齢者団体を初め学識経験者や民間事業者を構成員とした、熊本市やさしいまちづくり推進協議会を設置し、熊本市やさしいまちづくり総合計画を策定いたしました。  この間、総合計画の中にある「すべての人が人間として尊重されるまち」「完全参加を実現できる安全で快適なまち」を目指し、施設改良などのハード、また意識啓発などのソフトの両面にわたり取り組んでまいりました。  また、庁内には各局主管部長を構成員とした「やさしいまちづくり推進会議」を設置し、連絡、調整を行い、全庁的に取り組んでいるところであります。  しかしながら、議員御指摘のとおり、これまでの取り組みの中には必ずしも十分でない点があったのも事実であります。本格的な高齢社会の到来を目前に控えた今、だれしもが何らかのハンディを負うことが予想されますので、バリアフリーとは、まさに他人ごとでなく自分自身のこととしてとらえることが重要だと考えます。  今後、議員の御指摘を真摯に受けとめ、利用者の意見、専門家のアドバイスが反映されるシステムづくりについて、関係部局全体にかかわる問題として研究してまいりたいと存じます。  なお、車いす優先トイレに関するアンケート調査につきましても、担当部局と協議の上実施に向けて取り組んでまいります。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  すべての市民が幸せであると感じられる熊本市、これは市長がよくおっしゃる言葉ですけども、まさにこの熊本市へ到達するための過程がバリアフリーではないかというふうに私は考えておりますので、今後とも、そういった施策に反映していただけるバリアフリーというものを期待しております。  次に、バリアフリーへの具体的な取り組みとして数点のお尋ねをいたします。  まず、市民会館の改修についてです。  市民会館は、私たちのように車いすを使用する者にとっては、現在においては絶対使いたくない施設の代表格です。と申しますのも、ホールや会議室へは単独では行くことができません。また、車いすから座席に移っても席の狭さには大変窮屈な思いを強いられます。  このような状況では仕方なく通路にいるしかなく、通路を通れない人に何度も謝ったりと、楽しいはずのコンサートも気苦労で疲れてしまいます。  このように仲間たちには不評の市民会館が、来年一月に成人式の後、半年間の改修工事に着手されるそうですが、その中にバリアフリーも含まれていると聞き及んでいます。  さらに、バリアフリー化計画では、企画の段階から専門家と障害者団体に呼びかけて検討会議を持たれているとのことですが、その方針や具体的内容、進捗状況について所管である経済振興局長にお尋ねします。  次に、歩道などの整備についてです。  私は不覚にも十一月の初めに風邪を引いてしまいました。熱が下がらないので、診察を受けるために、妻に車いすを押してもらい近所のかかりつけの医院に行きました。  日ごろ、歩道のタイルの目地の振動が車いすのタイヤを通して伝わってくることは知っていましたが、体調が悪いときのこの振動は殊のほか体にこたえ、改めて乳母車の赤ちゃん、押し車の高齢者の方々などの苦痛に思いがめぐりました。  そのとき、ある主婦が言われたことを思い出しました。「家の前の歩道が歩きにくくなった。歩道の石畳風のでこぼこに足を取られて転んだけれど、一体だれがどこでこんな歩道にすると決めたんだろう。」という内容でした。市民の大多数は、「自分たちに関係あることでも、行政は何も知らせず、自分たちだけで決めている。」と感じています。  さて、市役所周辺の歩道の歩きにくさは、よく町中に出かけられる市長も御存じのことと思います。特に、市営駐輪場からシティエフエムにかけての歩道は大変な急傾斜です。  三、四年前、市役所の新採研修で車いす体験の講師を担当したことがあり、ここを職員に自力で車いすをこいでもらいましたが、男性職員でさえも歩道から飛び出して車道に流され、自力ではもとに戻れませんでした。  車いすのみならず、乳母車や押し車の高齢者、そういった身体的なハンディキャップを持った人たちが、不自由さを感じつつ、危険にさらされながらも、ただ黙々と歩道を歩いておられるさまを考えるとき、物言わぬ人たちを代弁して、歩きやすい歩道への改修を強くお願いしなければならない責任を感じました。  また、私自身が実際に経験したことですが、市役所から美術館分館に行くために、市電の軌道敷をまたぐ横断歩道を渡り始めたときのことです。いつもは青信号が点滅を始める前に渡り終えるのですが、ちょうどそのときは一歳十カ月の息子を車いすのひざに乗せていたので、渡り終える前に信号が点滅を始めました。  横断歩道の先には、バスやトラックなどが信号が変わるのを今か今かと待っており、その前を必死の思いで車いすをこぎました。  渡り終えて横断歩道を振り返り、せめて横断歩道の中央部分の市電の軌道敷がでこぼこのないフラットなタイルであったら、こんなに苦労しなくて済むのにと思ったものでした。  以上、私の実体験を御紹介しましたが、いわゆる健常者の方には何でもないことが、私たち障害者には大きなバリアとなっていることを皆様方に気づいていただきたいのです。  それぞれは小さな問題ですが、一つ一つを地道に解決していただきたいと考えるものであり、建設局長のお考えをお聞かせください。  次に、ノンステップ電車とバスについてお尋ねいたします。  熊本市でのノンステップ電車の導入は、日本の路面電車の歴史上、後世に語り継がれるほどの大きな快挙であり、これがその後の全国に与えた影響ははかり知れないものがあります。  しかしながら顧みると、導入への取り組みも、当初はまことにささやかなものでした。私や仲間たちは、平成六年にヨーロッパの各都市を見て回ることから始め、以来、平成八年、十年と都合三度にわたってヨーロッパの先進地をつぶさに調査してきました。  市長もヨーロッパの事情には大変詳しいとお聞きしていますが、そのヨーロッパでは、ノンステップ電車を、障害者対策としてではなく、あらゆる人にとって利用しやすいものとして位置づけているなど、その発想のやさしさと将来を見据えた先進性に大いに感嘆しました。  この経験を全国に発信すべく、私たちは全国的なシェアを持つ専門誌を活用したり、あるいは熊本でも導入のための街頭署名など、さまざまな活動を続けてまいりました。  そして平成九年八月、日本で、いえアジアでも初めてのノンステップ電車が熊本市に導入されました。  私自身、市民の立場で導入実現の運動を続けてきた者の一人として、将来の高齢社会や地域づくりを見越しての三角市長を初め関係各位の御英断を高く評価するものです。  導入当初、私たちが、一編成のため乗りたくてもなかなか乗れないことから「幻の電車」と呼んでいたこのノンステップ電車が、現在三編成が市内をさっそうと走るまでになり、その利用しやすさが市民権を得るまでになっております。そして当然のことながら、さらなる増車を望む声が起きてきました。  さきに実施されました市民意識調査においても、実に八七・七%の市民が今後の増車を望んでおられ、それを顕著にあらわしています。  私たちとしては、一編成の予備車を含め、七編成のノンステップ電車があれば十分置きの定時運行が可能となり、利用しやすさが格段に向上すると考えておりますが、そのためにも、あと四編成の増車が実現することを心待ちにしております。  また、これに関連して電停の改良をさらに進めることも必要と考えています。  現在、三十五カ所の電停のうち、車いすが利用できる電停は十一カ所しかないのが現状です。ですから、電車のバリアが解消されればされるほど、今度は電停のバリアが際立って目立ってきます。  法律上の問題、スペースの問題、費用の問題、そして根底にある車優先の考え方など、数々の課題があるかとは存じますが、せっかく導入されたノンステップ電車をさらに効果的なものとするためにも、ぜひ早急に取り組んでいただきたいと考えるものです。  以上、今後の増車計画と電停の改良の二点について、交通事業管理者のお考えをお尋ねいたします。        〔竹田克彦経済振興局長 登壇〕 ◎竹田克彦 経済振興局長  村上議員にお答えいたします。  市民会館の改修に関連して、バリアフリー化にどのように取り組んでいるのかというお尋ねでございます。  市民会館は、昭和四十三年に建設以来、三十数年を経過しており、その間幾たびか施設の改善を行ってきたところでございますが、全体的に老朽化が進み、また近年建設された他の会館と比べますと、機能的な面、あるいは利用される方々にとって不便なところも見受けられます。  したがいまして、今回そういった中で急を要する工事として舞台機構、外壁の漏水防止等障害者にやさしいまちづくり事業としてバリアフリー化に取り組んだところでございます。  特にバリアフリー工事につきましては、実際にお使いになられる方々の立場から使いやすい施設にしたいと考え、バリアフリーデザイン研究会、ヒューマンネットワーク熊本の代表者の方々、あるいは舞踊、音楽、演劇照明等の専門家の立場からの御意見を聞く場を設け、本年四月から六月まで延べ十一回にわたり、設計企画の段階から工事設計の専門家と協議する中で百件近くの御意見をいただいたところでございます。  したがいまして、今回の工事はこれらの貴重な御意見を組み入れた内容となっておりますが、工事途中におきましても、現場を見ていただく機会などを設けたいと考えております。
           〔議長退席、副議長着席〕  次に、市民会館のバリアフリー計画の具体的内容でございます。  会議棟一階展示ロビーから二階に上がるためのエレベーター一基、同じく展示ロビーの階段に設置するリフトが二基、また非常警告灯やインターホン、自動ドアを設置した多目的トイレを館内四カ所に増設いたします。さらに、大ホールの中の車いす席につきましても、現在の八席から十六席にふやす計画であります。  最後に、工事の進捗につきましては、今回の工事が総額十億を超える大工事となりますため、来年一月半ばに工事に着工し、六月いっぱいの完成を目指しております。  工事期間中、議員の皆様を初め市民の皆様には何かと御迷惑をおかけいたしますが、市民会館といたしましては、市民の文化活動の拠点施設、あるいは社会教育施設として多くの皆様に利用いただけるよう引き続き改善に向けての努力をしてまいりたいと考えております。        〔松下尚行建設局長 登壇〕 ◎松下尚行 建設局長  バリアフリーへの具体的な取り組みついての御質問中、私からは歩道等の整備についてお答えいたします。  高齢者や障害者の方々を初め、広く一般市民の交通の安全を確保し、人にやさしい道づくりを進めますことは、私どもが道路行政に取り組みます上での重要なテーマであると考えております。  そのため、村上議員にも幾度となく御参加をお願いいたしました、交通安全総点検等を通じ、だれもが普通に歩ける歩道づくりを目指し、交通安全整備事業や道路環境整備事業などにおいて、段差解消や視覚障害者誘導ブロックの設置などを積極的に行ってきたところであります。  障害をお持ちの方々でそれぞれさまざまな御要望をお持ちのため、一つの形に絞ることができず、試行錯誤を重ねながら実施してきたところでございます。  現実の問題として、現在の歩道幅ではすべての御要望を満足することが困難ではございますが、本市も参加いたしました東バイパス歩道のバリアフリー化工事におきましては、さまざまな障害をお持ちの方や高齢者、健常者が一緒に現地を歩きながら、お互いが他人の状態をしんしゃくした上での意見を最大公約数に集約しながら実施した例もありまして、今後の整備のあり方に役立たせていきたいと考えております。  なお、議員が体験に基づきお述べになりましたシティエフエム前の歩道につきましては、車の通りも多く、歩きにくい状況にありますので、改善に向けて検討してまいりたいと存じます。  これからも、高齢者や障害者にやさしい歩道は健常者にもやさしいとの認識のもと、市民、行政、お互いが協力しながら歩行者が安心して歩ける道づくりに努めてまいりたいと考えております。        〔市原敏郎交通事業管理者 登壇〕 ◎市原敏郎 交通事業管理者  お答え申し上げます。  まず、ノンステップ超低床電車、ノンステップ超低床バスの増車についてであります。  今日、公共交通機関、とりわけ公営交通に求められておりますのは、単にお客様に日常的移動手段を提供するという役割のみならず、高福祉社会における高度なモビリティーの確保の面から、乗りおりしやすい電車やバスを提供することが課題ではなかろうかと考えます。  そうした意味から、交通局では、これまで一般会計の支援のもと、超低床電車を三編成、リフトつきバス一両、ノンステップ超低床バス六両を導入いたしておりまして、さらに今年度中に三両のノンステップ超低床バスを導入する予定であります。  こうした実績を踏まえ、高齢社会に備えて、いついかなるときでもだれもが利用できるような運転を可能ならしめるために、交通局といたしましては、今後とも、いわゆる福祉対策車両を一両でも多く導入してまいりたいと考えております。  なお、台数につきましては、御提案の数に近づけるべく、来年度以降最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  次に、電停についてであります。  これまで交通局といたしましても、設置可能な電停二十八停留場五十五カ所にスロープを設けてまいりました。また、水前寺公園前電停の拡幅など施設の改善に努めてまいっているところであります。  御質問の中でもお触れになりましたように、ノンステップ超低床電車をより効果的に機能させるには、まだ多くの電停で支障があることは十分認識をいたしております。  こうした問題は、車両の低床化とあわせ、電停を含めた軌道環境のバリアフリー化も同時に進めていくことが理想であると考えておりますが、そうした交通施設のバリアフリー化のみならず、先ほどの議員の御質問にも関連いたしますが、車いすを御使用になる移動制約者の方々が利用されるであろう自宅から目的地までのすべての施設や歩道などと一体的に整備、改良し、総合的に機能させていくことが肝要であろうと存じます。  また一方で、電停の問題は、自動車交通と路面電車との共存をいかに図っていくかといった構造的かつ根本的な問題をはらんでおろうと考えます。  私ども交通局では、多くの人が利用しやすく、安全性にもすぐれた電停や路面電車を提供したい、この思いは常に持っております。  したがって、既成概念や制度にとらわれることなく、さまざまな角度から、より利便性の高い路面電車を目指して、関係部局、関係機関とともに、可能な限りバリアフリー化に努めてまいりたいと、このように考えます。  議員の御理解、御支援をお願い申し上げます。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  市民会館の改修では、私の言う仕組みに沿った進め方で進んでおり、でき上がりを期待したいと思います。  それから、交通機関に関しては、経営環境自体が厳しい上に、大変なことと思いますが、福祉の視点が隅々まで行き渡って、これから先の高齢社会をにらんだ施策を強く期待したいと思います。  バリアフリーとして、最後に心の問題について実体験をもとにお尋ねいたします。  去る平成四年四月、私は新聞記事を読んで愕然としました。  それは兵庫県尼崎市立高校での出来事でした。筋ジストロフィーの障害を持つ玉置真人君を、入試の成績は水準以上だったにもかかわらず不合格としたという内容の記事でした。  その理由については、三年間の通学は不可能、安全が保障できない、設備が不備である等々とされていました。  その後、玉置君は不合格処分の取り消しを求めて提訴し、合格を勝ち取りました。裁判に負けた学校側は、校長が玉置君の自宅に出向き、不合格処分にしたことをわび、改めて入学を要請したそうですが、玉置君はこれを断り、私立高校への進学を選んだとのことです。人間の尊厳の立場から玉置君の選択は私は当然だったと思います。  私が愕然とした理由はほかにもありました。  ここから話が少し長くなりますが、私が熊本市政に参画することとなった理由にもつながることですので、述べさせていただくことをお許しください。  実は私も高校入学時に玉置君と似た体験をしたことがあり、まさか、それから二十六年もたって玉置君の事件が起きるとは思ってもいなかったのです。  私の場合は、合格発表に名前が掲示されておらず、保留の扱いでした。成績は全く問題なく、違う理由だということは、私の父の友人からの情報で知っていました。  後日、出身中学校の校長先生と両親、そして私が高校の校長室に呼び出され、そこで校長先生は職員会議の様子を話され、私が入学することは迷惑だと言われました。私は「途中二年半、松橋療護園に入園したこともありましたが、それ以外は木造校舎で階段や段差がたくさんあった普通の小中学校時代を仲間たちの手助けで、ちゃんと学校生活を送れた。」などを必死に説明し、入学の許可を求めました。  最終的に校長先生は、「校舎の改造要求をしないこと。」「仮にほかの生徒が階段から突き落としても責任を求めないこと。」という条件を出されましたので、私は「それでいいです。」と受け入れてやっと合格が決定したのです。  私は、教育の現場で教育的配慮が全くないという気持ちを強く持ちました。  その後、障害を持つ後輩が同じ高校に受験願書を出したところ、二人の体育教師が訪ねてきて願書の取り下げを求めたという話を聞かされたときは、私のとき以上にショックを受け悲しい気持ちになりました。  後輩の障害では体育実技で単位が取れないし進級できないというのが理由でしたが、私の場合は三年間、一、二学期の体育実技は見学だけでしたが赤点で、不思議に三学期だけは赤点ではなく、進級、卒業できたことを不思議に思うとともに、学校側の首尾一貫しない姿勢に不信を抱きました。  顧みますと、当時は今と違ってバリアフリーの考え方もなく、重度の障害があっても普通に当たり前に地域で暮らすという意味でのノーマライゼーションの考え方や言葉さえもないにひとしい時代でした。ハード面を整備し、制度をつくることで障害者の社会参加を促進するということが最近の確立された考え方です。  そういった意味で、建物のバリアが心のバリアをつくったのだと理解し、自分自身を納得させていました。しかしながら、その二十六年後の、しかも「国連の障害者の十年」が始まって十年目の春に最初に御紹介した玉置君の事件が起きたのです。  さらに、事もあろうに、ついことしの春、県北の中学校で、別棟の障害児学級にただ一人置かれていた中学生に、修学旅行を辞退するようにとの手紙を父親あてに出させた校長先生がいました。この中学生は、結果的には修学旅行に参加でき、そのときの感想文が最優秀賞を獲得したという新聞記事を読みました。  大分長くなりましたが、私は心のバリアがハードの面のバリアに加えて別にも原因があるということを体験を通して知りました。そこで得た結論は、人権感覚の欠如にあるということでした。  しかし、二十六年前の私の場合も玉置君の場合も、そのきっかけ、始まりはバリアだらけの校舎であったことは間違いありません。  ですから、この体験こそが、私がこれまで一生懸命バリアフリーに取り組んでいる理由でもあります。  そこでお尋ねします。  このように障害を持つことを理由に教育を受ける権利を侵害することが長期間にわたってなくならない原因をどうとらえておられるのか。  さらに、常にその理由の一つにされる設備面の不備、すなわち学校のハード面のバリアについて今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長職務代理者のお考えをお聞かせください。        〔徳田勝比古教育長職務代理者 登壇〕 ◎徳田勝比古 教育長職務代理者  ただいま議員御自身の問題も含めての御質問でございました。私、心して聞かせていただいたところでございます。  二点についてのお尋ねでございますが、あわせてお答えをさせていただきます。  議員が挙げられました事例に共通して言えますことは、教育行政に携わる者や学校の管理職、さらには学校現場での教職員全体の障害者への理解が十分ではなかったのではないか、また、障害のあることで、周りと同じような生活行動ができなければ排除するという人権感覚のなさや感性の希薄さにあったのではないかと思います。  教育に携わる私たち一人一人が、障害者の方々に対する見方、考え方を改めて問い直し、障害者の方々みずからが持つ能力や個性が十分に発揮できるような教育環境、社会環境を整えていかなければなりません。そのためには、ハード面のバリアフリーとともに心のバリアフリーをより一層進めていくことが必要でございます。  教育委員会といたしまして、これまで学校教育や社会教育で実施してまいりました研修、啓発がどれだけ真の障害者の理解につながっていたかをいま一度考え直しますとともに、教師や児童・生徒が豊かな人権感覚を養うため、地域で生活されている障害者の方々に学ぶという視点での学習の場を積極的に設けてまいりたいと考えております。  ハード面のバリアフリーにつきましては、個々に手すりやスロープ、洋式トイレ等の設置などを行っておりますが、これからも、利用者の方々や専門家の御意見を聞きながら、さらなる施設設備の充実を期してまいりたいと考えております。  今後とも、障害のある人の社会参加と平等という目標に向け、さらに取り組みの充実を図り、障害のある人もない人も、住みなれた地域においてともに生き生きと暮らしていけるような社会づくりに努めてまいりたいと思います。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  障害を持った子供が本格的な共同生活をする場というのが学校だとすると、その学校において、ハード面だけではなく心のバリアがあるということは、障害を持った子供のその後の人生を考えますときに大変残念な状況だと言わざるを得ませんので、今後とも、そういうことがないように施策に反映させていっていただきたいと強く思います。  長々とバリアフリーについて自分自身の実体験も含めてお尋ねしてまいりましたが、今後、障害者はもちろん高齢者の方々が、それぞれの生まれ育った地域の中で幸せに暮らしていくためにも、私は、例えば「バリアフリーのまちづくり宣言」や、先ほど市長は否定的なお考えを言われましたが、バリアフリーを推進させる専門の組織の新設など、このバリアフリー対策を市政運営の中心に据えて取り組んでいただきたいと強く要望をいたしておきたいと思います。  引き続いて、福祉問題について数点のお尋ねをいたしますので、関係局長の御答弁をお願いいたします。  まず、障害者対策としての市町村障害者生活支援事業についてです。  さて、障害を持つ人たちが地域の中で暮らしていくためには、学校、働くところ、生きがいにもつながる通う場が必要であり、また、バリアフリー化された住居などの生活の場が必要であると言われています。  さらに、実際に暮らすとなると、地域住民とのおつき合いや緊急時の連絡など、さまざまな場面を想定しておかなければなりません。  しかしながら、これらの社会的環境が十分に整備されているとは言いがたく、これらについての熊本市の既存の施策やサービスも十分ではないと考えるものです。  時代の流れが、施設中心の福祉から在宅福祉へと着実に移り変わりつつある時宜をとらえ、国においては人口三十万人に二カ所のケアマネージメントの拠点づくりを内容とする市町村障害者生活支援事業をスタートさせました。  この事業について、既に全国では百七カ所、中核市では十三カ所、熊本県内では城南町の一カ所で実施されており、さらに県は、平成十五年までに四カ所の設置を計画しておられるとのことです。  このように、障害者が地域の中で暮らしていくために大きな手助けとなる市町村障害者生活支援事業にぜひとも取り組んでいただけないでしょうか。  次に、障害者小規模作業所についてお尋ねいたします。  地域での自立生活を始めた障害者が、日常的に通う場、受け皿として小規模作業所という施設があるのを各位御案内のことと存じます。市内には、現在六カ所の小規模作業所があり、国と市からの補助金をもって運営されています。  この補助金の額を聞いて驚きました。平成七年度以降、現在までの運営補助金は一カ所当たり年額二百八十万円から二百九十万円のまま据え置かれておりますが、これだけを見ても岡山市の三百四十万円余と比べて低額ですが、さらに岡山市の場合は、この運営補助金のほかに支援ワーカー助成が十八万円余、事業費として百六十八万円、作業奨励金として二十六万円が支給されており、その差は総額でおおよそ本市の二・三倍に上ります。岡山市以外のほかの都市と比べても本市の額の低さは際立っています。何もお金がすべてではありません。  先月、所属する委員会で東京都の町田市を訪問して見聞したことには驚かされました。  町田市では、障害担当課に六名の職員から成る団体育成係を置き、小規模作業所が泊まりがけの旅行を計画すると、一緒に行って入浴などの手伝いをしたり、バザーの手伝いをするなどして、土日の区別なく働いておられました。  どんな気持ちでそこまでやるのかという委員の質問に、「親やボランティアが一生懸命頑張っておられるのを手伝うのは当たり前だし、「一人の人権を守らずして、万人の人権は守れない」との前市長の方針が職員の中に浸透していることですかね。」と、ごく当たり前に答えられました。福祉の先進地と言われる町田市の職員の信念と誇りを強く感じました。  このように、障害者小規模作業所の運営一つにも、市政の力点の置きざまが如実にあらわれるものですが、本市においてはどのように考えられるか、先ほどの運営補助金の増額とあわせて、健康福祉局長にお尋ねいたします。        〔工藤磐健康福祉局長 登壇〕 ◎工藤磐 健康福祉局長  村上議員にお答えいたします。  まず、市町村障害者生活支援事業についてであります。  本市では、地域における障害者の生活支援を充実する観点から、保健衛生と福祉部門を一体化し、総合的な相談、生活支援、情報提供機能を持つ拠点として、五つの保健福祉センターの中に、身近なサービスの窓口であり、機能拡大された総合相談係を設置し、よりきめの細かい、地域に密着した支援体制の確立を図ってまいりました。  今後、措置から契約制度への移行を控え、サービス提供機関の連携や調整を行うなど、障害者の生活全般に視点を置いた支援体制が必要であると認識しております。  障害者生活支援事業につきましては、これらの一端を担い、ピアカウンセリング等、障害者の立場に立った支援体制を確立するものであり、当事者と行政と協力し合いながら、きめの細かいサービスを提供できる事業であります。  本事業内容の具体化、明確化を行うとともに、類似事業の状況、費用対効果の点などを精査しながら早期実施に向けて取り組んでまいりたいと考えます。  次に、障害者小規模作業所への支援についてであります。  全国に障害者小規模作業所としては約三千九百余り存在し活動されていますが、今般の経済不況の中、障害者の方の自立生活の一つである就労の場が十分に確保できなかったり、また、リストラの対象となるのは弱者であり、障害者になる場合が多く、小規模作業所の役割は大きいものがあります。  小規模作業所は、障害の程度や作業能力には関係なく、地域でともに暮らすというノーマライゼーションの理念に基づき、障害者の特性に応じた作業や日常生活訓練等に取り組み、地域社会が一体となった活動の場として重要な役割を果たしていると認識しております。  その運営費についてでありますが、他都市においてさまざまな形態があるかと思います。先ほど議員がお述べになりましたように、ここ数年金額的に変更はありませんが、それぞれの作業所において工夫を凝らしながら運営されていることは確かであります。  先月視察された東京都町田市の体制は、これまでの当該課が長年にわたり試行錯誤しながら、職員の育成、意識改革を行い培われたものだと認識しております。  そのような中で、先日も補助金の増額についての陳情もいただきましたが、今日の厳しい財政状況下ではなかなか難しい問題であります。今後、財政当局とも相談をしながら、御期待に沿えるよう努力したいと思っております。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  熊本市の厳しい財政状況は十分認識しております。しかし、それでも、今後ともさらなる努力をお願いしたいと思いますし、障害者の地域での生活についての理解をもっと深めていただけるように、すべての皆さんにお願いしたいと思います。  次に、子育て支援について二点のお尋ねをいたします。  さて、この一、二カ月の間に、県内で生後三カ月あるいは九カ月の乳幼児を死に至らしめるなど、将来を担う子供たちを虐待する悲惨な事件が立て続けに起こっていますが、これらの事件は氷山の一角にすぎないと語る識者の言葉には、子を持つ親としてさらに胸が詰まります。  また、先週金曜日の地元新聞の記事によりますと、今年度上半期の県の児童相談所に持ち込まれた相談件数が六十一件に上り、昨年同期の二倍以上にふえたそうです。その内容も、暴力で体に外傷を与える身体的虐待が三十一件、子供の世話をせず、栄養不良や不潔な状態にするケースが二十四件、性的虐待が六件など、目を覆いたくなるような事実です。  これらの背景には、他人にはうかがい知れないさまざまな原因があるでしょうが、ただ、理由のいかんにかかわらず、現に被害を負うのは弱い子供たちです。  しかも、先日放映されたNHK総合テレビの「子供達をどう救うのか」という児童相談所を中心とした特別番組の中で、「決定がおくれたと感じたことがあるか。」という問いに、児童相談所の職員の八割が「ある」と答えていました。
     虐待を防止し、しかも不幸にして起こってしまった虐待から子供たちの命を守るため、実効性のある対策が急がれています。  このような中、本市においては虐待防止連絡会議が開催されていると聞き及んでおりますが、予防体制と処理体制についてはどのような取り組みをしておられるのか、お聞かせください。  ところで、これらの虐待の中でも、母親によるものが圧倒的に多いという統計があります。これらの母親に対する事前のケアがきちんとできていれば、事件の幾つかも起きずに済んだのではないでしょうか。  熊本市は地方分権の先導役となる中核市であり、そしてまた三角市長は、中核市連絡会の会長でもあります。どうか、乳幼児、高齢者、女性などに対する総合的な虐待防止の体制として、総合相談所を全国に先駆けて設置されることを強く要望する次第です。  私も一歳十一カ月の子供がおり、今まさに子育ての真っ最中です。妻は、幸いにも一年間の育児休暇を活用できましたので恵まれておりました。しかしながら、妻と子供の様子を見ていて、母親にゆとりを持たせるための施策があってもいいなと考えました。  授乳が終わり、眠った子供を布団に寝かせると途端に泣き出す、家事をやめてまた抱き上げると泣きやむと、この繰り返しです。なかなか泣きやまない子供と母親だけの時間の中で、母親はだんだんとゆとりを失っていきます。  そんなときに家事支援のヘルパーさんが来てくれて、炊事、洗濯、掃除を引き受けてくれたら、母親は子供とにこやかに話ができます。毎日とは言いません。週に二回ほどでもいいのです。こうした子育て支援の家事ヘルパー制度を始められたらいかがでしょうか。  午前中の磯道議員の提案に我が意を得た思いで聞かせていただきました。  私はさらに、働く女性への支援の気持ちも込め、せめて小学校に入るまでこうした子育て支援の家事ヘルパー制度があったらと思いますが、いかがでしょうか。  引き続き、療育センターについてお尋ねいたします。  さて、国の障害者長期計画が終了した平成四年、本市において今後の生涯福祉のあり方を検討するための熊本市心身障害児・者対策協議会が設置され、その中で障害の早期発見・早期治療の整備が必要とされました。  また、療育センターの型についても、心身障害児総合通園センターといった大規模なものから、市内の通園施設、医療施設などを有効に活用した分散型を検討してはどうかといった意見も出されたと聞いております。  平成八年三月、交通局の移転計画に伴いターミナルビルの上層階に療育センターを設置してはどうかといった意見があり、さまざまな検討の結果、振動や騒音の問題などから不適当とされたようですが、その後、平成八年に、熊本市の中核市移行とともに地方社会福祉審議会が設置され、その中の療育センター専門部会で審議が続けられました。  そのような中、本市議会の中でもこの問題は幾度となく審議され、平成十年第三回定例会の中で、熊本保健所の建てかえの際に療育施設をつくったならばという三角市長の御答弁があっております。  しかしながら、熊本保健所の建てかえという数年を有する大事業とリンクしたことにより開設の時期が遠くなったため、ことし四月にこどもの発達相談窓口が開設されるに至りました。  ところで、療育センターといっても、全国的にはいろんな型があります。私が調査したところによりますと、北九州療育センターのように相談、検査、治療、訓練をすべて行う自己完結型の総合的施設と、医療あるいは福祉などの専門の施設を相互にネットワークした機能分散型の施設との二種類があるようです。  さて、最近、このような障害児を抱える保護者の方々の御意見を聞く機会がありましたので、どのようなことに一番困っているかをお尋ねしたところ、「障害の疑いがあるのではないかといった初期の段階では、診察、治療ができるところが必要だったが、治療が終わった段階では、療育訓練をしてくれるところが必要となった。」とのことでした。  本市には、NICUを備えた熊本市民病院や熊大附属病院、あるいは療育に熱心な医療機関もあります。また、福祉の分野では、江津湖療育園を初めとして療育に熱心な保育園も多数あるなど、療育に係る周辺の環境は十分に整っています。  このような中にあって、今一番求められているのは、それぞれの施設の中核となる療育センターを一日も早く実現することであると考えております。  本市財政の厳しい中ではありますが、障害児を持つ親たちの切実な意見に耳を傾けていただき、ぜひとも早急に取り組んでいただきたいと考えるものですが、健康福祉局長のお考えをお聞かせください。        〔工藤磐健康福祉局長 登壇〕 ◎工藤磐 健康福祉局長  子育て支援と療育センターについてお答えいたします。  まず、児童虐待についてでありますが、議員御指摘のように、その件数は全国的にも年々増加しており、しかも死に至るような深刻な事例がふえております。  熊本市でかかわったケースとしましては、精神的不安から来る養育力欠如の母親が起こしたネグレクトや、アルコール依存症による身体的な暴力、借金苦から逃げるために子供を放置した母親、父子家庭で日中部屋に児童を放置するケース、父親から性的暴力を受けるなどでございます。  いずれのケースも子供の心に深い傷を残すものであり、決してあってはならないことであります。  児童虐待防止に関しましては、これまでにも本議会において各議員よりいろいろな角度から御提言をいただいているところでございます。  本市ではその重要性を認識し、子供の総合的な健康づくりを推進するために、既に設置しておりました熊本市子どもの健康づくり普及推進委員会の下部組織として児童虐待防止に関する検討部会を本年五月に設置し、児童虐待防止マニュアルの作成とネットワークづくりに取り組んでいるところです。  今後、さらに庁内の関係各課及び対外の関係機関と連携を図りながら、児童虐待防止に積極的に努めてまいりたいと考えます。  次に、乳幼児期の子育て支援のための家事支援ヘルパー制度についてであります。  子育て中の家庭へ家事支援を行うことでゆとりを持った子育てができるようにとの御提案でありますが、午前中磯道議員にお答えしましたように、現在、子育てに忙しい親にリフレッシュしてもらい、ゆとりを持って子育てができるよう、乳幼児を保育園で一時的にお預かりする一時的保育や子育て支援センター、労働省所管のファミリーサポートや保育サポートなど、子育て家庭への支援施策の拡充が進められているところでございます。  今回の少子化対策臨時特例交付金で、認可保育園の一時的保育、子育て支援センターの拡充を進めてまいりたいと考えているところですが、いずれにいたしましても、子育て家庭への支援につきましては、議員御提案の家事支援ヘルパー制度を含め、社会全体で支える子育て支援施策を検討してまいりたいと考えております。  次に、療育センターについてであります。  議員の御案内にありました熊本市こどもの発達相談窓口につきましては、十一月までに新規の相談が三百八十七件、継続相談が六百三十三件、合計で一千二十件、一日の平均相談件数は約七件余りとなっております。  障害の分類別の相談件数は、肢体不自由については八件と少数であり、知的障害に関する相談が七百八件と全体の七〇%を占めております。  御利用された方々からは、何でも気軽に相談できる場所ができた、一人で不安であったのが解消できた、行き場をつくってもらって助かったと大変喜んでいただいているところであります。  議員が保護者の方々の御意見を御紹介されましたとおり、特に知的障害児童につきましては、日常生活訓練や自立に向けた訓練が望まれているものと考えております。  本市では、既に本年十月、障害児通園事業を始めたところでありますが、この事業は、発達相談窓口と連携させることで、議員の調査の結果にありましたような機能分散型の機能を持たせることができると考えております。  今後とも保護者の皆様方の御要望や御意見をお聞きする機会を数多く設けながら、相談窓口の専門性をより高めるための研修や専門職種の確保に努め、相談に十分こたえられる体制を整備するとともに、真の熊本市型療育センターとはどのようなものか引き続き検討していきたいと考えております。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  療育センターにおいては、機能こそ分散していても、カルテの一元化など中身において保護者の方々が安心される内容を今後とも保護者の方々と一緒につくるというパートナーシップを確立していっていただきたいと要望しておきます。  次に、障害者と介護保険制度のかかわりについてお尋ねします。  特に重度の障害を持つ人たちは、介護人派遣事業などさまざまな社会資源を活用して自立生活を実現させ、やっと自己実現の人生を歩き始めたばかりですが、この介護保険制度と障害者との関係が不明確なため、大変心配をされております。  今般の制度においては、六十五歳未満で介護保険の対象となるのは、十五種類の老化に伴う特定疾病が原因の場合に限られているようです。しかし、その中には難病などでかなり手厚い介護が必要な方もおられますし、介護保険で十分な介護が果たして受けられるのか、また介護保険にない障害者サービスは受けられないのか、自己負担などはどうなるのかなど、さまざまな疑問や心配を抱えておられます。  また、将来、介護保険制度が見直される中で、いずれ原因のいかんを問わず障害者全般が介護保険の対象とされることになるのではないかとの憶測がなされております。  もし、そうであるならば、障害当事者が、今後のスケジュールの中で、十分に発言でき、計画にも参画できる仕組みを考え、よりよい障害者のための介護保険をつくるべきだと思います。  そこでお尋ねです。  障害者と介護保険制度のかかわりについて、その具体的な取り扱い方針が明らかになっておりましたら、将来的な見直しの方向性も含めお示しください。健康福祉局長にお尋ねいたします。        〔工藤磐健康福祉局長 登壇〕 ◎工藤磐 健康福祉局長  村上議員にお答えいたします。  障害者施策と介護保険制度の関係についてでありますが、この問題は議員御指摘のとおり、介護保険創設に際しての大きな論点となってきたところであります。  現時点までに明らかとなったことについて整理いたしますと、四十歳から六十四歳までのうち老化に伴う十五種類の疾病が原因で介護が必要な障害者の方は介護保険の対象となりますが、身体障害者療護施設などの入所者については適用除外となり介護保険の対象となりません。  まず、その具体的な適用及び給付関係についてですが、原則として両者に重複する在宅介護サービスは介護保険サービスが優先することとなり、従来の行政の措置に基づく障害者施策のサービスは受けられないことになります。  しかしながら、在宅サービスの種類によっては一部例外的な取り扱いを行うことが示され、例えばホームヘルプサービスでは、重度の脳性麻痺の方や脊髄を損傷された方など全身性の障害を有される方や、コミュニケーションの援助等が必要な聴覚障害、視覚障害並びに知的障害を有される方に対しては、介護保険サービスで対応できない部分について、障害者施策から引き続きその方に必要なサービスを提供することができます。  このほか、デイサービス、ショートステイ、並びに補装具及び日常生活用具につきましても、その障害に固有のサービスの提供が必要であると認められる場合には、障害者施策のサービスを提供する方向が示されております。  また、ガイドヘルプサービス等、介護保険にはないサービスについても、引き続き障害者施策からサービスを提供することになります。  一方、施設サービスにつきましては、障害者施設への入所が必要と認められる場合には、介護保険対象者であっても障害者施設への入所が認められることになります。  なお、サービスの利用料についても、国の特別対策において、低所得者世帯で障害者ホームヘルプサービスを利用していた方が介護保険によるサービスに移行する場合、平成十六年度まで利用料を三%に減じる措置を講じることとされております。  次に、将来的な見直しについては、介護保険法上、国において制度施行後五年をめどとして障害者施策及び介護保険事業の実施状況などを勘案した上で、被保険者及び受給者の範囲や保険給付の内容などについて必要な見直しがなされることとなります。  その際には、本市においても国の動向に沿って介護保険事業計画の見直しを行うことになりますが、議員も述べられましたように、障害者の方々の参加を図って、障害当事者の御意見を十分反映していきたいと考えております。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  障害を持った方々の介護保険に対する思いは複雑です。情報提供を密にしていただくと同時に、今答弁にもありましたように、当事者の参画を仕組みとしてぜひ確立していただくことをあわせて要望しておきます。  次に、ごみ問題についてお尋ねいたします。  今、私たちの周囲に存在する毒物の中で、人工的につくられたものとして最も毒性が強いのがダイオキシンであると言われています。  このダイオキシンは、九〇%が物を焼却したときに発生すると言われており、特にごみ焼却の依存率が諸外国に比べて異常に高い日本において、深刻な問題となるのではないでしょうか。  本市環境工場での測定結果では、現在は排ガス基準に適合していますが、この基準も平成十四年度からはさらに厳しくなり、西部環境工場では、それに適合させるための施設の改善を進めているとのことです。  素人考えで恐縮ですが、基準として一立方メートル当たりのダイオキシンの量が定めてあるのであれば、たとえ基準値以下であっても、排出される工場排煙の量がふえれば、それにつれて発生するダイオキシン自体の総量もふえるのではないかと考えます。  つまり、ごみの総量がふえると、結果としてダイオキシンの総量がふえることになるのではないでしょうか。したがって、私たちにできることは、ごみの発生をできるだけ減らすことではないでしょうか。  私が聞いた話によりますと、宮崎県の清武町では、学生がアパートを借りるのに際し、不動産屋からごみ出しについての細かい説明があり、有料のごみ袋を買わされた、あるいは役場の転入手続に行くと、手続は簡単に済んだが、その後三十分かけてごみの出し方の説明があったなど、各自治体のごみの減量にかける意気込みがうかがわれます。  本市では、ごみの減量について、今後どのような取り組みをしていかれるのか、環境保全局長にお尋ねいたします。        〔澤田幸男環境保全局長 登壇〕 ◎澤田幸男 環境保全局長  村上議員に、ごみ減量の今後の取り組みについてお答えいたします。  議員御案内のように、ごみ問題は、環境破壊、特にダイオキシン汚染と密接な関係にあり、現在の危機的状況を打破するために取り組むべき重要な課題であると認識いたしております。  また、ごみの増加とともに、その処理には膨大な経費が必要になってきており、この点からも、ごみ減量やリサイクルに向けた積極的な取り組みが求められているところでございます。  本市では平成九年度に、一年間のごみの量が三十三万八千トンと、昭和六十三年度からの十年間で五割近く増加し、その増加したごみを処理するための施設建設などにより、一年間のごみ処理経費も八十二億円と七割以上アップしており、ごみの量、処理経費ともに過去最高の値を示したところでございます。  このような状況から、平成九年三月に、それまでのごみの適正処理からごみの減量やリサイクルに主眼を移したごみ処理基本計画を策定し、この計画に基づきまして、十年度にごみ減量やリサイクルに重点を置いたごみ出しルールに変更したところでございます。  このルール変更などにより、毎年ふえ続けておりましたごみが、十年度のごみは約三%初めて減量しておりますが、予断を許さない状況にあることには変わりございません。今後さらにごみがふえてまいりますと、新たなごみ処理施設の建設など、膨大な経費負担を招くものと考えられます。  そこで、平成十三年度には、家電リサイクル法や容器包装リサイクル法に対応いたしまして、ごみ減量やリサイクルに向けた取り組みをさらに強力に推し進めてまいりたいと考えております。  このようなことを行政が申しましても、「シャンプーなどは詰めかえ用の商品を選ぶ」とか「生ごみは堆肥化する」「酒やビールは瓶入りを買う」といったごみの発生抑制、再使用の取り組み、「紙や資源物は分別して出す」といったリサイクルを進める取り組みなど、環境にやさしい取り組みの主役はやはり市民の皆様一人一人でございます。  今年度の市民意識調査におきましても、こういった環境にやさしい取り組みは、環境への関心が高い市民の方ほど実践に移されていることが明らかになっておりますことから、さらに力を入れなければならないのはやはり市民啓発であると考えるところでございますので、議員各位にも御支援、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。  市民啓発といたしましては、現在、「ごみ出しルールブック」の全世帯への配布のほかに、ごみ処理施設などの見学を通しまして、ごみの行方を知っていただくための施設見学バスツアーや、ごみの現状や課題を直接お話しして理解していただくための自治会、婦人会の学習会への職員派遣など積極的な活動を展開しているところでございます。  また、小さいころからの環境教育が大変重要でありますので、小学四年生に社会科資料といたしまして「ごみとリサイクル」を配布し、リサイクル情報プラザを見学コースに加えた施設めぐりを実施しているところでございますが、今後関係部門ともなお一層の連携を図り、市民啓発のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。  これからは、行政と市民がパートナーシップを築き、市民一人一人が現在のライフスタイルを見直して、ごみの発生抑制、再使用、そしてリサイクルに向けた取り組みを実践できるような循環型社会への転換を目指してまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  環境問題については、もう既に立場を超えた共通認識を求められている、そういう時代になってきております。行政と市民とのパートナーシップが本当にはぐくまれていくようによろしくお願いしたいと思います。  次に、行政への市民参加として三点についてお尋ねいたします。  まず、市の附属機関となる審議会等への市民参加についてです。  各位御案内のとおり、現在の審議会の委員の委嘱に当たっては、まず行政で候補者を人選し、その上でお願いするというのが通常のやり方のようですが、私は市民が委員として自由に審議会に参画できる仕組みづくりこそ必要であると考えております。  このような考え方は、平成八年九月に策定された熊本市行政改革大綱において、審議会の活性化のために広く人材を求めるとされており、また行政改革推進プログラムの中にも、公募による委員の選任方法の導入が掲げられているなど、既に本市において具体的検討が進んでいることと思います。  したがいまして、詳しくは申し上げませんが、ただ、私が考えている仕組みもその方法の一つとして検討いただければと思い、僣越ながら提案させていただきたいと思います。  この私の考える仕組みとは、市民であればだれでも自由に参画できる登録制として、その中から委員を委嘱する方法です。希望者が多い場合は、審議会の分科会の数をふやしたりすることもできるでしょうし、委員の質が問われることもあるので、それをチェックする方法も必要となるでしょう。  その他、もろもろな検討が必要でしょうが、ただ、このような市民参画型の審議会とすることによって、市民と開かれたテーブルで議論ができますし、審議の活性化が図れることとなり、結果、市民と行政とが相互に理解し合い、役割を分担するといった、市民と行政の理想的なパートナーシップが育っていくこととなるのではないでしょうか。  市で現在進めておられる新総合計画の策定に当たっても、市民の意見を反映するために、シンポジウムを開催したり、新聞に大きく素案を掲載し、その意見を求めたりと、積極的に市民参画型の手法をとっておられます。  何といっても市民の最大のパートナーは行政であり、行政の最大のパートナーは市民なのですから、お互いの垣根を越えた議論の場が必要なのです。そのためにも、市民参画型の審議会を実現していただきたいと考えるものですが、これについてのお考えをお聞かせください。  また、パブリックコメント制度という言葉をお聞きになった方もおられるかと思います。これは、国の全省庁においてこの四月から導入したシステムであり、その概要を申し上げますと、国で政策を決定する前に電子メールやファクスで国民の意見を募るシステムです。  この半年間で百七十六件もの意見が寄せられたとのことですが、意見を募るというだけで、まだまだ低いレベルの国民参加ですが、それでも国においては大きな進歩だと考えています。  本市においては、「市民が主役」という三角市長の考えのもと、国の先を行く住民参加を図ってこられましたが、さらに今後、このパブリックコメント制度を採用され、いろんな場面において市民の意見を求められてはいかがでしょうか、あわせて企画調整局長にお尋ねしたいと思います。        〔副議長退席、議長着席〕  次に、市民参加の具体的な事例として、消防と地域が連携した救援体制についてお尋ねいたします。  数年前、消防局の責任者の人と話す機会がありました。「消防のこれからの課題は何ですか。」とお尋ねしたところ、即座に「福祉の視点を持つことです。」と答えられました。  その意味を詳しくお聞きしたところ、「地域で暮らしているひとり暮らしの高齢者や障害者を、災害時にいかに早く安全に救出するかという意味です。そのために、常日ごろから地域を回り、どこにどんな人が暮らしているのかを足で調査している。」と答えられました。
     私は然とすると同時に深く反省させられました。というのも、私たちのグループでは、障害者が地域で自立生活をするための支援活動をしていましたが、消防の方が言われた非常時や災害時の対応を全く考えていなかったからです。  私の自宅は西消防署の近くにあり、早朝や夜間の職員の訓練を見て大きな信頼感を抱いていたのですが、まさか消防において、私たちが日ごろ社会や行政に求めて実現することが少なかった福祉の視点を既に取り入れて実践しておられるとは考えていませんでした。大変心強く思いました。  しかしながら、さきの阪神・淡路大震災のときのように、消防の能力を大きく超える災害時には消防の力だけに頼ることはできません。  また、先般の台風十八号のときに、死者十二名を出した不知火町と、同じような高潮に見舞われながらも一人の死者も出さなかった龍ヶ岳町との明暗を分けたのは、消防団などの活躍によるところが大きかったと言われています。  このように、行政と地域とが連携することによってさらに大きな力が発揮できることを考えるとき、消防の分野においても、地域と連携した救援体制を構築されることがより効果的であると考えますが、消防局長のお考えをお聞かせください。        〔齊藤聰企画調整局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画調整局長  審議会等への参加とパブリックコメント制度についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、地方分権が進展する中で、これまで以上に市民と行政とのパートナーシップが求められており、市民の市政への参画を促進し、市民の意見を反映できる行政システムへの転換が必要であると十分認識をしているところでございます。  そこで、一点目の審議会等への市民参加についてのお尋ねであります。  議員も述べられましたように、これまで行政改革大綱に基づき、審議会の見直しを各局の主管課で構成する審議会活性化推進チームで検討しており、昨年度までに、委員の兼任数の上限や、女性の積極的登用、あるいは年齢構成への配慮など、委員の選任基準を取りまとめたところであります。  今後、引き続き、この推進チームにおきまして、より市民に開かれた審議会とするため、議員御提案の市民登録制を含め、市民からの公募といった選任方法について検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、二点目のパブリックコメント制度につきましては、行政の意思決定過程において広く住民に素案を公表し、それに対する意見や情報を踏まえて意思決定を行う制度であり、市民の参加により、より行政手続の公正さと透明性を図ろうとするものであります。  本市におきましては、これまでもさまざまな意思決定の段階において市民の意見を伺ってきたところでありますが、総合計画策定の場合を例にとりますと、この素案づくりに際し広く市民の方々から御意見を募集しましたところ、これまでにファクスやEメールなど百六十二件に上る意見が寄せられたところでございます。  議員御提案のパブリックコメント制度につきましては、新しい総合計画の基本的な考えであります市民主体のまちづくりを進めていくために有効な手法の一つと考えておりますので、さらに研究を進めてまいりたいと考えております。        〔道越賢消防局長 登壇〕 ◎道越賢 消防局長  村上議員にお答えをいたします。  消防局では、さきの阪神・淡路大震災を踏まえ、市民の安全と安心を確保するために、町内会や自治会を母体として自主防災クラブの結成を推進し、地域における自助活動の支援や防災意識の高揚を図っているところであります。  しかしながら近年は、全国的に見ても住宅火災による犠牲者数は依然として高く、約半数を高齢者の方々が占めるなど厳しい状況下にあるのも事実でございます。その主な要因といたしましては、就寝時間帯における火災の発生や逃げおくれ等であります。  そこで本市では、火災による負傷者の発生を未然に防ぐため、住宅火災の減少と高齢者、障害者の方々の安全確保を目的として、一昨年、保健福祉センターや福祉関係機関と連携して、熊本市高齢者等安全なくらし連絡会議を発足させ、その対策を進めてまいっているところであります。  消防局といたしましては、今後も引き続き、関係部局と連携しながら高齢者や障害者の方々の安全対策に取り組むとともに、地域の皆様の防火、防災意識の高揚に努め、災害に強い安全なまちづくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  ありがとうございました。  質問の最後に、二〇〇〇年問題に関しお尋ねいたします。  さて、二〇〇〇年を目前に控え、毎日のようにテレビや新聞でこの問題が報道されていますが、ほとんどがコンピューター誤作動に備えての対策のようでございます。  確かに、私たちの現在の生活のすべてが、直接あるいは究極的にコンピューターに依存しており、結果、コンピューター誤作動のもたらす社会混乱ははかり知ることができないほど甚大なものであることは紛れもない事実です。  だからといって、私は決してコンピューター社会を否定するものではありませんが、コンピューターはいつかはダウンするものと覚悟しておくことが必要であり、事実、これまでにも幾度となくそのような場面がありました。そのたびごとに騒がれ、それが解決するといつの間にか忘れ去られるといった繰り返しでした。  このような中にあって、この二〇〇〇年問題を、決して二〇〇〇年の節目だけのこととせず、さらに将来に向けた大きな警告を発しているととらえることが肝要ではないでしょうか。  先週木曜日の地元新聞の二面に「さあ、二〇〇〇年、水や食料はだいじょうぶ」という小さな記事が載っており、この中で東京都三鷹市が家庭版危機管理シートを作成し、市役所の窓口などで配布を始めたと紹介されていました。  私が注目したのは、その記事の中の「目立つところに貼っておけば、地震などの災害の時にも役立つ」というくだりでした。  災害時には自分の身は自分で守るということを、私たちはさきの阪神・淡路大震災の中で学びましたが、三鷹市の方法はまさしくこれを地でいくものです。  この家庭版危機管理シートでチェックしていくと、自分自身あるいは行政では対応し得ない項目があることに気づかれるはずです。問題は、それをどう解決していくかであり、そこにあるのが地域づくりではないでしょうか。  私たちは、過去の災害にあって、住民がお互いに助け合って急場をしのいだ事例を数多く知っています。今回の二〇〇〇年問題は、図らずも私たちが地域に頼らざるを得ない場合があることを教えてくれました。ということは、二〇〇〇年問題は地域づくりそのものを問いかけているということになります。  私たちは、私たちの地域において自分たちがとるべき方策を一つ一つ検証し実践していきますので、市におかれましても、今回の二〇〇〇年問題を契機として新たな地域づくりに取り組んでいただけないか、関係局長にお尋ねいたします。        〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  村上議員にお答えします。  この二〇〇〇年問題、あるいは災害における地域の重要性というものにつきましては議員御指摘のとおりでございます。  阪神・淡路大震災の震源地であります淡路島、大変な被害を受けましたけれども、復旧に向けて大きな支えとなったものは、しっかりした地域コミュニティー、言葉を変えていいますと地域共同体の存在であったと言われております。  この地域コミュニティーについてでございますが、今日日本の国は二十一世紀に向けて大変革の真っただ中にありまして、とりわけ地方分権や教育改革を実現していくためには、かつて地域共同体が持っていた地域の力の回復であると言われておりまして、新時代に向けた地域づくりは今や緊急かつ重要な課題となっております。  こうした中で、熊本市では、新時代に向けまして、地域の力を回復し、市民が主体となったまちづくりを展開していくために、既に平成八年度から、その先導的事業といたしましてまちづくり活動支援事業をスタートさせました。市内全校区にわたりまちづくり委員会の設置を進めております。  ある校区では、子供の目線や車いすの視点でウオッチングを行い、さまざまな地域の課題を共有し、人への思いやりや地域の連帯感が高まってきたと成果も上がりつつあります。  今後、このような基盤に立ちまして、また二〇〇〇年問題を一つの契機として、子供やお年寄り、障害を持った方々や健常者の方々など、すべての住民が助け合い支え合えるような、そして主体性を持った地域コミュニティーの確立を目指しまして、地域の皆様と一緒になりまして地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。        〔七番 村上博議員 登壇〕 ◆村上博 議員  以上で私の質問は終わりましたが、最後に一つだけ要望をしておきたいと思います。  将来を担う子供たちに大きな影響を与える紫外線問題についてです。  皆さんは、この熊本で本気になって環境問題に取り組んでいる「地球村くまもと」という環境NGOのグループを御存じでしょうか。このグループは、環境問題を市民や行政とともに勉強し、自分自身の生活の中で実践することを通して社会に訴え続けています。  その考え方の基本は、まず最初に、知ること、そして自分でできることを無理せずに自分自身の生活スタイルを考え直すということです。私も十回近くセミナーに参加して、本当に驚きました。地球環境は私たちが考える以上にはるかに深刻です。  セミナーは、美しい地球を子供たちにというメーンテーマで、「地球は今」「森林破壊」「種の絶滅」「地球温暖化」などの十のテーマで行われておりますが、私はこのセミナーに参加し学ぶことで、これまでの環境問題に対する認識が百八十度変わるほどのショックを受けました。  最近では、このような動きが県内のいろいろな団体に広がりつつありますが、国境や行政の境界を越えた環境問題に対応していくためには、もはや、それぞれの立場を超えて、住民と行政とが共通認識を持ち、しっかりとパートナーシップを築くほかにないと思っています。  このような考えのもと、最近問題になっております紫外線問題について私の考えを述べさせていただきます。  市長もそうだと思いますが、私たちの年代以上の方々は、子供時代に日焼けを気にしながら遊んだという記憶はないと思います。いや、むしろ日に当たるとビタミンDができるから骨にいいと、日焼けを競った記憶がおありではないでしょうか。  ところが、この二年ほど前から、母子健康手帳から日光浴の文字が消えたのを御存じでしょうか  これまで健康にいいとされてきた日光浴ですが、私たちの子供時代に地表に届いていたのは紫外線Aだけだったそうで、体に悪いとされるのは紫外線Bの方です。この紫外線Bは遺伝子を破壊し、免疫力を低下させ、白内障の原因となったりするそうです。  この紫外線Bが地表に届くようになったのは、オゾン層を破壊するフロンガスや代替フロンを大気中に私たちが放出し続けてきたからなのです。  以前、テレビでオーストラリアの子供たちが、つばの長い首筋を保護する帽子をかぶり、長袖のシャツを着てサングラスをかけて登校し、体育の授業を受けているのを見ましたが、これが先進国の今の常識なのだと考えるに至りました。  そこで、将来を担う子供たちに大きな健康被害をもたらす紫外線問題について、今後、市当局におかれましても十分認識されて施策を展開されますよう強く要望いたしておきたいと思います。  ゼロ歳から十歳までの子供が一番、まだこの免疫力ができておらず、この紫外線の被害を受けると言われております。これから先の二十一世紀を担うその子供たちが、今後、フロンでオゾン層が破壊され続ける二〇二〇年までずっと被害を受け続けるということになります。  そういったことを考えると、関係当局のこの問題に関する認識をぜひとも施策に反映させていただけるように強く要望いたしておきたいと思います。  私にとりまして初めての質問でもあり、大変緊張いたしましたが、おかげをもちまして無事重責を果たすことができました。  勉強不足の点も多々あったとは思いますが、三角市長以下執行部の皆様方には丁重なる御答弁をいただきありがとうございました。  また、長時間にわたり御清聴いただいた先輩並びに同僚議員、それに本日傍聴しておられます、車いすを初めたくさんの市民の皆さん、本当に長い時間ありがとうございました。心からお礼を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)      ───────────────── ○江藤正行 議長  次に、日程第二 議第四一三号「助役の選任同意について」を議題といたします。 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  議第四一三号              平成十一年十二月十四日提出    助役の選任同意について   熊本市助役に次の者を選任したいので同意を求める。               熊本市長 三 角 保 之    後 藤 勝 介 ────────────────────────────── ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいま上程されました議第四一三号「助役の選任同意について」の提案理由を申し上げます。  本件は、現助役中村順行氏が本年十二月十七日をもちまして任期満了となりますことに伴い、新たに後藤勝介氏を本市助役に選任しようとするものであります。  後藤氏は昭和十三年の生まれで、昭和三十四年本市に入られ、勤務の傍ら、昭和四十年熊本商科大学商学部を卒業、平成七年から本年十月まで本市教育長として活躍されました。  後藤氏は、その人格、識見、ともに本市助役として適任であると考え選任同意をお願いする次第であります。 ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  本案に対し質疑はありませんか。        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  別に御質疑もなければ採決いたします。  本案に対し御異議ありませんか。        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案は「同意」することに決定いたしました。  ただいま助役に選任されました後藤勝介氏のごあいさつがあります。        〔後藤勝介氏 登壇 拍手〕 ◎後藤勝介氏 一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。  ただいまは、私の助役選任につきまして御同意を賜りまことにありがとうございました。心よりお礼を申し上げさせていただきます。  浅学非才の私にとりまして、助役という職責の重さを考えますとき、まさに身の引き締まる思いでいっぱいでございます。  今後、微力ではございますが、すべての職員と力を合わせ、市長を補佐し、本市が目指します二十一世紀のまちづくりに向けまして全力を尽くす決意でございますので、議員の皆様方におかれましては、何とぞ今まで以上の御指導、御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げます。  意を尽くしませんけれども、お礼の言葉とさせていただきます。きょうはありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○江藤正行 議長  次に、日程第三 議第四一四号「収入役の選任同意について」を議題といたします。        〔一部退席する者あり〕 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  議第四一四号              平成十一年十二月十四日提出    収入役の選任同意について
      熊本市収入役に次の者を選任したいので同意を求める。               熊本市長 三 角 保 之    岩 本 洋 一 ────────────────────────────── ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいま上程されました議第四一四号「収入役の選任同意について」の提案理由を申し上げます。  本件は、現収入役岩本洋一氏が本年十二月十八日をもちまして任期満了となりますことに伴い、再び同氏を本市収入役に選任しようとするものであります。  岩本氏は昭和十五年の生まれで、昭和三十八年熊本大学法文学部を卒業後、昭和四十二年本市に入られ、平成七年から本市収入役としてその重責を果たしておられます。  岩本氏は、その人格、識見、ともに本市収入役として適任であると考え選任同意をお願いする次第であります。 ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  本案に対し質疑はありませんか。        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  別に御質疑もなければ採決いたします。  本案に対し御異議ありませんか。        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案は「同意」することに決定いたしました。  ただいま収入役に選任されました岩本洋一氏のごあいさつがあります。        〔岩本洋一収入役 登壇〕 ◎岩本洋一 収入役  一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。  ただいまは、不肖私の収入役選任に御同意を賜りましてまことに身に余る光栄であり、衷心より厚く御礼を申し上げます。  微力ではございますが、重責を務めさせていただきました過去四年間の経験をもとに、さらに誠心誠意全力を傾注して職務に専念する覚悟でございます。  議員の皆様方のさらなる御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の決意を込めての御礼のごあいさつにさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○江藤正行 議長  次に、日程第四 議第四一五号「監査委員の選任同意について」を議題といたします。        〔一部退席する者あり〕 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  議第四一五号              平成十一年十二月十四日提出    監査委員の選任同意について   熊本市監査委員に次の者を選任したいので同意を求める。               熊本市長 三 角 保 之    野 田 晃 之 ────────────────────────────── ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいま上程されました議第四一五号「監査委員の選任同意について」の提案理由を申し上げます。  本件は、現委員服部公雄氏が辞任されますことに伴い、新たに野田晃之氏を本市監査委員に選任しようとするものであります。  野田氏は昭和十八年の生まれで、東京大学経済学部において学ばれた後、昭和四十一年本市に入られ、現在本市理事として活躍されております。  野田氏は、その人格、識見、ともに本市監査委員として適任であると考え選任同意をお願いする次第であります。 ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  本案に対し質疑はありませんか。        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  別に御質疑もなければ採決いたします。  本案に対し御異議ありませんか。        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案は「同意」することに決定いたしました。      ───────────────── ○江藤正行 議長  次に、日程第五 議第四一六号「教育委員委員の任命同意について」を議題といたします。 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  議第四一六号              平成十一年十二月十四日提出    教育委員委員の任命同意について   熊本市教育委員委員に次の者を任命したいので同意を求める。               熊本市長 三 角 保 之    徳 田 勝比古 ────────────────────────────── ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいま上程されました議第四一六号「教育委員委員の任命同意について」の提案理由を申し上げます。  本件は、後藤勝介が任期満了となりましたことに伴い、新たに徳田勝比古氏を本市教育委員委員に任命しようとするものであります。  徳田氏は昭和十六年の生まれで、昭和三十九年熊本大学法文学部を卒業後、同年本市に入られ、現在は教育委員会事務局教育次長として活躍されております。  徳田氏は、その人格、識見、ともに本市教育委員委員として適任であると考え任命同意をお願いする次第であります。 ○江藤正行 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  本案に対し質疑はありませんか。        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  別に御質疑もなければ採決いたします。  本案に対し御異議ありませんか。        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案は「同意」することに決定いたしました。      ───────────────── ○江藤正行 議長  次に、日程第六 諮第一四号「人権擁護委員候補者の推薦について」を議題といたします。 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  諮第一四号              平成十一年十二月十四日提出    人権擁護委員候補者の推薦について   人権擁護委員の候補者として次の者を推薦したいので意見を問う。               熊本市長 三 角 保 之    秋 野 逸 郎 ────────────────────────────── ○江藤正行 議長  市長の説明を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいま上程されました諮第一四号「人権擁護委員候補者の推薦について」の提案理由を申し上げます。  本件は、現委員秋野逸郎氏が平成十二年三月十四日をもちまして任期満了となりますことに伴い、再び同氏を候補者として推薦しようとするものであります。  秋野氏は昭和八年の生まれで、昭和三十一年熊本大学法文学部を卒業後本市に入られ、新熊本振興室長等として市政の発展に尽力された方で、平成五年からは人権擁護委員として活躍されております。  秋野氏は、その人格、識見、ともに人権擁護委員の候補者として適任であると考え推薦の同意をお願いする次第であります。 ○江藤正行 議長  市長の説明は終わりました。  本案に対し質疑はありませんか。        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  別に御質疑もなければ採決いたします。  本案に対し御異議ありませんか。        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案に対しては異議がない旨答申することに決定いたしました。
    ○江藤正行 議長  この際、大石文夫議員より発言の申し出があっておりますので、これを許可いたします。大石文夫議員。        〔五十番 大石文夫議員 登壇〕 ◆大石文夫 議員  自由民主党熊本市議団の大石文夫でございます。  今議会をもって御勇退されます中村順行助役と服部公雄監査委員に、議員各位のお許しをいただき、市議会を代表いたし感謝の言葉を申し上げさせていただきたいと思います。  さて、来る十二月十七日をもちまして任期を全うされ、めでたく勇退されます中村助役におかれましては、昭和三十四年に本庁に奉職され、教育委員会庶務課を振り出しに、以来商工部長、総務部長、消防局長、総務局長などの要職にあって活躍してこられました。さらに平成三年には収入役に選任され、本市会計事務の最高責任者としての堅実な手腕を遺憾なく発揮されました。  そして平成七年、時まさに就任一年目を迎えて大きく躍進しつつある三角市政の中にあって、三角市長の補佐役として助役に就任され、それまで三十五年余の市役所生活で培われた豊富な経験と高い識見を縦横に発揮され、見事その重責を全うしてこられましたことは各位御案内のとおりでございます。  顧みますと、助役として在任されました四年間は、我が国の社会全体が激動した時代であり、本市にとってもまさに変革の時期でございました。さかのぼる平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災はさまざまな傷跡を残しましたが、本市においてはいち早く支援物資を届けるとともに、それを教訓として防災計画を見直され、新指令回線システムを構築されるなど、安全な都市づくりへの取り組みを一段と強化されました。  また、平成八年四月、本市は全国自治体に先駆けて中核市として新たな飛躍のための第一歩を踏み出しました。  折しも、時まさに長引く景気低迷の中にあり、本市としても厳しい財政状況のもと、時代に即応したサービスを提供していくため、身を切るような行政改革を断行されるなど、まさに市政始まって以来の厳しい変革のときでございました。  一方、ことしの夏、秋には、待望久しかった第五十四回国民体育大会くまもと未来国体が開催され、私どもに大きな感動を与えてくれました。  このように、中村助役の在任中は、本市の将来にとって極めて重要な節目の時期でしたが、その間にあって、中村助役は地方行政に携わられた長年の豊富な経験を十分に発揮され、またこれを、誠実で温かいお人柄が相まって三角市長の女房役として実に的確に、あるいはきめ細かく取り組んでこられました。  これらの輝かしい御功績に対し、私どもはひとしく心から敬意と感謝の念を抱くものでございます。  また、十二月二十日をもちまして御勇退される服部公雄監査委員におかれましては、昭和二十九年に本市に奉職され、秘書課勤務の後、自治振興課、企画課長、教育委員会管理部長、衛生局長などの要職を歴任してこられました。  そして平成二年の十二月、その手腕を請われて監査委員に就任され、以来今日までの九年間、四十五年余の市役所生活で培われた豊富な経験と高い識見とを縦横無尽に発揮され、代表監査委員として無事その職責を果たされました。  顧みますと、この時期ほど監査委員の役割が重要だった時期はございません。行政への市民参加が時代の趨勢となり、その一つとして市民からの監査請求が相次いで提出されましたが、この一つ一つに真摯に取り組まれる服部監査委員の公平不変の姿勢が市民や行政の層から高く評価されますことは各位御案内のとおりでございます。  ときに、外部監査の導入という監査制度が厳しい局面を迎えたとき、代表監査委員としての真剣なお取り組みにはその面目躍如たるものがございました。  このように監査制度を市民に身近なものとしてこられた御功績に対し、私どもひとしく心から尊敬の念を抱くものでございます。  以上、中村助役と服部監査委員の御功績を御紹介いたしましたが、今議会をもってお二人の姿を拝見することができなくなることを考えますと、その存在感、親近感が大きく深かっただけに、ただただ名残惜しいものがございます。  どうか、お二人におかれましては、御退任後もますます御健勝であられますことを祈念申し上げますとともに、本市のさらなる発展のため、なお一層の御指導と御助言を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単でございますが、市議会を代表しての感謝の言葉といたします。本当に御苦労さまでございました。(拍手) ○江藤正行 議長  この際、中村助役並びに服部監査委員より発言の申し出があっておりますので、これを許可いたします。中村助役。        〔中村順行助役 登壇〕 ◎中村順行 助役  ただいま大石議員さんから過分の言葉をちょうだいいたしまして、大変恐縮をしております。我が身を省みてただ恥じ入るばかりでございまして、じくじたる思いでございます。  市役所生活四十年有余の移ろいの歴史でございましたけれども、皆様の御指導、御鞭撻によりまして、一応曲がりなりにも大過なく卒業することができるようなことでございます。  今後は、野にあって、市政の繁栄と発展、振興のためにいささかなりとも貢献できることを考えて生きていくつもりでございます。  議員の皆様のますますの御活躍と御家族の皆様の御多幸を心からお祈りいたします。  歴史と伝統に輝く熊本市議会に御在籍の議員の皆様、御機嫌よろしゅう。ありがとうございました。(拍手) ○江藤正行 議長  服部監査委員。        〔服部公雄代表監査委員 登壇〕 ◎服部公雄 代表監査委員  ただいまは親愛なる大石先生から過分なるねぎらいの言葉をちょうだいしまして、感謝にたえないところでございます。  大石先生には、私がまだ酒の味もわからない文字どおり純真無垢なときに、夜の町のいろはから御教授いただきまして、ついきのうのように思い出されるわけでございますが、幸か不幸か、私は師匠の言うことは余り聞きませんで、至ってまじめにやってまいりましたので、今日無事に卒業できるかと、このように考えておるわけでございます。(笑声)  きょうは最後の登壇でございますので、原稿を用意してまいりました。お許しをいただきたいと思います。  私は、常々、市役所のような組織体におきましては、新陳代謝を図ることが組織を活性化させる上で最も大切であることを考えてまいりました。その意味で我が身の引き際がいついかにあるべきかに常に意を用いてまいったところでございます。  多少引き際を間違えたかなと、こういう感じもせんではございませんが、このたび、市長初め議員各位のお許しをいただきまして退任の運びと相なったわけでございます。  ここに、在任中皆様方から賜りました、公私にわたっての一方ならぬ御支援、御厚情に対しまして心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。  退職いたしましても、長らく市政に携わってきた者として市政への関心は持ち続ける所存でございます。議員各位におかれましても、ますます御健勝で一層の御活躍をされますように、また、熊本市政がますます発展しますように、心から祈念をいたしまして退任のごあいさつといたします。まことにありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○江藤正行 議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明十五日から十二月十九日まで五日間は委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○江藤正行 議長  御異議なしと認めます。  よって、明十五日から十二月十九日まで五日間は休会することに決定いたしました。  次会は十二月二十日(月曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○江藤正行 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                   午後四時十七分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成十二年十二月十四日 出席議員 五十一名   一番 江藤正行    二番 鈴木昌彦    三番 原亨      四番 津田征士郎   五番 鷲山法雲    六番 上野美恵子   七番 村上博     八番 小山久子   九番 日和田よしこ  十番 藤岡照代   十一番 坂田誠二   十二番 竹原孝昭  十三番 藤山英美   十四番 田中誠一   十五番 下川寛    十六番 重松孝文  十七番 中松健児   十八番 家入安弘   十九番 佐々木俊和  二十番 鈴木弘 二十一番 牛嶋弘二   十二番 古川泰三  二十三番 税所史熙  二十四番 岡田健士 二十五番 田尻将博  二十六番 田尻清輝  二十七番 北口和皇  二十八番 田辺正信 二十九番 大江政久   三十番 島田俊六  三十一番 荒木哲美  三十二番 主海偉佐雄 三十三番 伊形寛治  三十四番 落水清弘  三十五番 奧田光弘  三十六番 宮原政一 三十七番 益田牧子  三十八番 上村恵一  三十九番 磯道文徳   四十番 西泰史 四十一番 中村徳生  四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男 四十六番 白石正   四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄  五十番 大石文夫  五十二番 西村建治  五十三番 亀井省治 欠席議員 一名 五十一番 紫垣正良 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      中村順行 収入役     岩本洋一   企画調整局長  齊藤聰    総務局長    松村紀代一 市民生活局長  村上智彦   健康福祉局長  工藤磐    環境保全局長  澤田幸男 経済振興局長  竹田克彦   都市整備局長  田尻紘    建設局長    松下尚行 消防局長    道越賢    交通事業管理者 市原敏郎   水道事業管理者 森高聖之 教育委員委員長松垣裕    教育長職務代理者徳田勝比古  人事委員会事務局長                                       有馬紀彦 代表監査委員  服部公雄   市長室長    赤星健一   財務部長    谷口博通 職務のため出席した事務局職員 事務局長    友枝佑二   事務局次長   大橋舜一郎  議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...